東京大学名誉教授が射抜くワイド1点
[2020年6月27日]
【宝塚記念】普通に走れば、どの馬よりも先に…
いわゆる団塊の世代に属する私は、騎手でいえば、安田富男、小島太、福永洋一、柴田政人、岡部幸雄などと同世代である。後者3人は「花の15期生」とよばれ華々しい実績を残したが、前者2人は競馬の外での話題も少なくない。騎手学校時代からさぼり癖のあった安田は卒業も2年遅れだったし、「落ちこぼれ騎手」を自認する気楽さがあった。そういえば、私の唯一のキャバクラ体験もこの元騎手に連れて行ってもらったものである。小島は 「酒とタバコと夜遊びは絶対にやらない」と父に誓って騎手になったが、全部守れなかったと苦笑する。でも、競馬愛は人一倍純真だったという。そんな話題をもりこんだ江面弘也『昭和の名騎手』(競馬ポケット)が出ている。拙稿の短評がたぶん7月4日(土)? の『毎日新聞』書評欄に掲載予定である。
吉祥寺の居酒屋「青夷」、多少は客も入り、昔日の賑わいに戻りつつある。でも、3密制約を考えれば、そこそこでいいのではないだろうか。在宅テレワークが多い口撃機関銃ヤマは出勤帰りしか居酒屋出没ができず、談笑する機会が少ない。その分、ヤマ飛沫に脅えないですむので安心なのだが。
でも、春競馬の最後の大一番・宝塚記念ともなると、データ分析にも力が入るらしい。梅雨時のG1だから渋った馬場になりやすい。スピードよりパワーをもつ馬に注目して、⑱ブラストワンピースを狙うらしい。全13戦7勝で後は着外というから、パワー適性馬場でドンピシャという。2番手もやはり牝馬にしてはパワータイプの⑯クロノジェニシスを狙って、スピード型の人気馬⑤サートゥルナーリアと⑪ラッキーライラックは抑えるほどらしい。ギャンブル狂師ミノ先生は無冠で6番人気以下が意外と馬券にからむというデータ頼りで、しぶとい⑮スティッフェリオを狙い、確実きわまりない⑤との馬連・ワイドを主力に、⑤頭にして⑮2・3着でほか3頭をからめた3連単で行くらしい。穴専門のマスターは前走・鳴尾記念の好走馬が馬券にからむと睨んで人気薄⑧レッドジェニアルの爆走を期待するとか。
ところで、昨秋の凱旋門賞をロンシャン競馬場で観戦したとき、私はひそかにキセキに期待していた。重馬場だったし、不良馬場の菊花賞を勝ったキセキには有利だと思ったからだ。父ルーラーシップの重馬場巧者は折り紙付き。ところが、出遅れてしまい、いいとこなしのまま7着だった。馬場状態は微妙だが、出遅れさえしなければ、ここでも⑭キセキの逃げ・先行で粘りこみの夢がふくらむ。もう1頭は、もちろん⑤サートゥルナーリアで迷いなし。普通に走れば、どの馬よりも先にゴールできるはずだ。
【宝塚記念】
⑤-⑭ ワイド1点で勝負する
⑤⑭の2頭軸に③⑦⑪⑮⑯⑱を加えた3連複6点で遊ぶ
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『ワイドの凌』よりひと言
昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。
本村 凌二
1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』
「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。
ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。
伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。