東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2022年08月20日]

【札幌記念】競馬の定石に従ってもはや獲った気分!

私の競馬の自慢話に、1998年夏の仏ドーヴィル競馬場で、モーリスドギース賞(G1・1300m)のシーキングザパールの勝利と、翌週のジャックルマロワ賞(G1・1600m)のタイキシャトルの勝利を、両者ともこの目で観たというのがある。もともとタイキシャトルは勝つ可能性ありと見なされていたが、前週のシーキングザパールの勝利は予想外だった。しかも、日本馬の欧米競馬G1レースの初制覇だったので、まったくの幸運であった。イギリスの競馬新聞はトップで「Japan 2, Europe 0」と報道していたから、まことに痛快だった。

ところで、今週の水曜日、英ヨーク競馬場でインターナショナルS(G1 2050m)があり、グリーンCh.で実況中継されたから、ご覧になった方もいるだろう。マイルを中心に9戦9勝のバーイードが初めて挑む中距離G1レース。最後方あたりから進み、最後の直線で昨年の覇者ミシュリフを並ぶ間もなくかわし、6馬身半差に突き放しての圧勝だった。まさしく「フランケル再来!」である。馬券の発売こそなかったが、やはり実況観戦はどうなるか分からないで目を凝らしているから、ひどく迫力がある。いいものを見た!という感動はなんともいえない。このような感慨の積み重ねが競馬の楽しみ方の王道ではないか、とあらためて思ったのだった。

さて、かぎりなくG1に近いG2という評判の札幌記念。夏競馬の大一番である。口撃機関銃ヤマは、先行タイプが多く、展開次第では結果が変わると判断。先行争いの直後に付けて好走しそうな⑨ウインマリリンに白羽の矢を当て、人気薄でオークス2着の実力が発揮できそうと期待するという。相手本線は、③パンサラッサ、⑥グローリーヴェイズ、⑭ユーバーレーベンの3頭で、人気の⑩ソダシはあくまで押さえで、単勝・馬連・3連複・3連単と手広くいくらしい。ギャンブル狂師ミノ先生は、前走のダートかましで人気を下げた⑪ユニコーンライオンを狙って、上位人気馬3頭にワイドで流すという。たしかに、昨年のG1宝塚記念2着馬の実績は軽視できないのだ。穴党専科の「青夷」マスターは、金曜日貸し切りが入ってホクホク顔で今回は本命党に回るらしい。夏に強い牝馬の定石どおり、本命⑩ソダシ、対抗⑭ユーバーレーベンで行くらしい。

ところで、競馬の定石に、「同一厩舎の複数出しは人気薄を狙え」というのがある。今回は、池江寿厩舎、矢作芳厩舎、国枝栄厩舎、手塚貴厩舎、安田隆厩舎とそろっているが、なかでも人気の③と人気薄の⑪を出走させる矢作の2頭が気になる。とくに1年余の休養明け2戦目の⑪ユニコーンライオンにはミノ先生と同様に食指が動く。もう一頭は、やはり昨年の覇者⑩ソダシがどうやら順調そうで信頼できそうではないだろうか。もはや獲った気分でいるから不思議だ。


札幌記念

⑩-⑪ ワイド1点で勝負する

⑩-⑪ 2頭軸の3連複総流し14点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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