谷中:そりゃそうだよ(笑)。ご飯食べ終わって「あぁ、歯に何か詰まったな」とか言われたら、ただ単に「何か歯に詰まったんだな」って思うだけでしょ(笑)。でも、今の話を聞いて、仁義なき戦いを観たくなったね。組長が?カニ食うの?で、歯に詰まるの?って、引き込まれる(笑)。小野寺の映画紹介とか聞くと面白そうだよね。さっきから全然関係ない話ばっかりしているけどいいの(笑)?
じゃあそろそろ競馬に関する話も、ということで、そもそも小野寺さんがジョッキーになろうと思ったキッカケから教えていただけますか?
小野寺:突然変異です。家族は誰も競馬をやらないですし。
谷中:突然変異(笑)!良い返しだね(笑)。中学の時に突然変異が起きたの?
小野寺:いや、お母さんのお腹からオギャーと産まれた時から、ちょっと違ったんですよ。金太郎が産まれてきた、みたいな。
谷中:金太郎ってどういうことなんだよ(笑)。
小野寺:もう幼稚園の時から能力を発揮していましたから。友達3人と一緒に幼稚園から家まで1kmくらい歩いて帰ってたんですけど、その途中にいっぱいピーマンとか人参とか大根とか生えてる畑があって、いつも気になってたんですよ。で、その野菜を3人で全部抜きました。まだ育ちきっていない小さいのを100本くらい。
谷中:イヤな園児だなあ。それ、バレなかったの?
小野寺:バレました。誰かに見られていたんでしょうね。親が謝りに行ってましたけど、あれは今でも覚えていますね。超怒られましたもん。
谷中:そりゃそうでしょ(笑)。畑の野菜を全部抜けば、そりゃ怒られるよ(笑)。
小野寺:あと、僕が突然変異を起こすきっかけになった事件が、小学校4年の時に起きたんですよ。
谷中:何、何?
小野寺:交通事故に遭ったんです。車にはねられて。
谷中:えー!
小野寺:友達と、家の帰り道にある駄菓子屋にポケモンシールを買いに行ったらしいんですよ。で、帰る途中に僕が道路に飛び出して、セダンみたいな車にはねられたらしいんですけど、体重が20~30kgしかなかったんで、はね上げられてボンネットに落ちたらしいんです。
谷中:うわー…
小野寺:僕は意識が飛んじゃって分からないんですけど、そのまま動かなかったらしいんです。友達は、僕が死んだと思ったらしくて、びっくりして帰っちゃったみたいで。
谷中:小学生で、友達が目の前で車にはねられたら怖くなっちゃうよね。で、小野寺はその後どうなったの?
小野寺:救急車の中で目が覚めたんですけど、すごい血だらけなんですよ。特に鼻血がすごかったんで「鼻が折れてるかもしれませんね」みたいな事を言われて。
谷中:鼻が折れてる、ってレベルの騒ぎじゃないでしょ?車にはねられてボンネットに落ちてるんだから。
小野寺:でも、無傷だったんですよ!鼻も大丈夫でした。
谷中:本当かよ!?
小野寺:本当です。でも、記憶だけが飛んでいて、前後の記憶が無いんですよ。駄菓子屋に行ってた記憶もなくて。今でも思い出せないです。だから、さっきのはねられたときのことは人から聞いた話なんですけど。
谷中:入院は何日か?
小野寺:3日で退院しました。
谷中:あー…、それは多分、第一の世界の小野寺なんだよ。ほら、同じ世界が二つあるんだっていう話があるでしょ?
1965年長野県生まれ。1985年、美浦の阿部新生厩舎の所属騎手として騎手デビュー。JRA通算成績145勝(うち障害3勝)。初騎乗は1985年3月10日にヤノリュウホウ(8着)。同年6月15日イチノスキーで初勝利。現役中に騎手生活の厳しい現実を綴った著書「崖っぷちジョッキー」を発表。現在は天間昭一厩舎の助手として活躍中。同厩舎ではレッツゴーキリシマやクラウンロゼなどを担当した実績もある。またその傍らドッグガーデン「WANだら~」経営者としても手腕を発揮している。
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