東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2012年4月22日]

【マイラーズC・フローラS】今日は報告をかねて予想することにした

皐月賞をワイド(8)-(15)の1点勝負がこけてしまい、腐りそうな気分だった。パット馬券の口座の残金は2千円しかない。とりあえず阪神と中山の12Rの予想をして、最後のチャンスに賭ける。


いきなり予想の新聞紙をたぐりよせて広げながら、時間がないから阪神12Rは(3)(4)(5)の3点ボックスをそれぞれ300円ずつで計900円。(4)は本命サイドだし、(5)も休養明け3戦目、(3)は調教師の談話では精神状態がいいとのことで期待がもてた。


レースの終盤、はまったように2頭が来たのである。しかも1着(3)、2着(5)のそれほど人気のない両馬の組み合わせ。やっとと思ったところ、勝馬(3)の騎手の名前は武幸四郎だとアナウンサーは叫んでいる。そんなことはない、(3)は浜中騎手のはずだ。私は的中したつもりだったので、あせりにあせった。


アイパットで確認してみると、たしかに20000円以上の入金がある。ふと、思い当たることがあり、新聞紙を再確認してみる。やはりそうだった。なんと私は土曜日の阪神12Rの馬柱のデータをもとに予想したのである。よく見れば、(4)の騎手は武豊ではないか。中山の11R皐月賞に乗った騎手が阪神の12に騎乗できるわけがない。そんなことにも気づかずに馬券を買って、しかも的中したのだから、もはや言葉が出なかった。


40年の馬券歴でも、こんなことは初めてだった。しかもワイド(3)-(5)で7390円が的中したのだから、これは幸運というよりも、サッカーでいえば、敵側が入れてくれるオウンゴールに近いことではないだろうか。


春と秋はG1レースが目白押しだから、それ以外のレースの予想はしないつもりだった。でも、とんでもない体験をしたので、今日は報告をかねて予想することにした。


阪神のマイラーズCは(11)フィフスペトルを狙う。G1マイルの2着の実績は光る。もう1頭は京都コースに適性のある(1)トーセンレーヴが堅実そうだ。


東京のオークストライアル・フローラSは

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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