東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2024年10月12日]

【秋華賞】涼しくなったG1日に懐が温かくなれば

秋らしくなってきた。昼間はまあまあだが、夕方以降になるとジャンバーでも羽織らないと、寒々とする。風邪でもひいてこじらせると油断できない高齢者だから、とにかく冷える場所に行かないようにする。身体がちょっと温かくなると、幸せな気分になる。

今年7月、JRA職員の男性と結婚したばかりの菜七子騎手が突然引退を表明した。どうも若手ジョッキーたちは競馬開催期間中の通信機器の使用が不正をおこしやすいということが分かっていないのではないだろうか。スマートフォンなどを当たり前のごとく使っているから、その連絡が不正をもたらすかもしれないという想像力に欠けるのだろう。不正に使うつもりではなくても、結果的に不正になることもある。多額のお金が動いているのだから、もっともっと想像力を働かせてほしいものだ。

さて、若い3歳牝馬のクラシック最終戦。成長期だから夏に成長した馬がいるかどうかが想像力の働かせどころ。

データ派の口撃機関銃ヤマはどうも春の勢力図に大きな変化はなさそうと見なし、オークス直行の⑤チェルヴィニアと⑭ステレンボッシュには敬意をもっているという。でも、馬券的妙味から紫苑S優勝馬の⑬クリスマスパレードを狙うらしい。ひと夏越してのレベルアップという想像力。相手本線は、⑤、⑭に加えてローズS優勝馬の③クイーンズウォークを拾うという。押さえは、⑩、⑪、⑮の3頭まで。単勝・馬連・3連複・3連単でいくらしい。

ギャンブル狂師のミノ先生は、前走1番人気で負けた⑩ボンドガールに期待をかけるという。穴党専科のマスター・ジュンは、人気薄⑦チルカーノに注目するという。キングカメハメハ系はこの6年で8頭が馬券でからんでいるし、父ハービンジャーの産駒の複勝率もいいらしい。馬連・ワイドで狙うという。

さてさて、私は、紫苑S2着の②ミアネーロを狙ってみたい。なにしろ、最後の3Fを33.0秒で上がり、1着の⑬の33.9にクビ差まで迫った末脚はすばらしい。しかもオークス以来の休養明けだったから、一層の活躍が期待される。相手は、やはり桜花賞馬⑭ステレンボッシュとオークス馬⑤チェルヴィニアのいずれかだろう。2000mなら、オークス1/2馬身差2着の桜花賞馬⑭ステレンボッシュの底力に期待がかかる。涼しくなったG1日に、懐が温かくなればいうことなしだ。


秋華賞
②-⑭ ワイド1点勝負
②-⑭ 2頭軸3連複総流し13点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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