東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2024年7月27日]

【アイビスSD】つかの間のワクワクを楽しみたい

新潟名物直線1000mでの唯一の重賞とあって、G3でもきわめて興味深いレース。しかも、結婚を公表したばかりの藤田菜七子が騎乗するのだから、盛り上がり高いものがある。

凡俗な話題だが、やはり女性の方が華がある。菜七子の騎乗馬⑤マウンタンムスメはそこそこ人気だが、とにかく馬券にからんでくれればと期待しつつ、前走2着から3キロ増の55キロでは期待外れかもとも思うファンも多いはずだ。

外枠有利はもはや常識。だが、さしたる軸馬がいなくて面白くなったと喜んでいる口撃機関銃ヤマ。開幕週のパンパン良なら敢えてインを狙う馬も出てきそうだといいながら、自信の本命は前走・韋駄天S1着の好走で期待できる⑬チェイスザドリームとか。ハンデも据え置きの55キロは他馬との比較で有利であり、やや外枠にも恵まれたという。相手は⑤⑧⑩⑫⑮の5頭で、馬連・3連複・3連単で行くらしい。

ギャンブル狂師ミノ先生も、絶好調の鞍上と枠に期待して、馬連・ワイドで狙うらしい。穴党専科のマスター・ジュンは、人気薄②ショウナンマッハに注目しているという。本来は坂路調教馬であり、今回は坂路でバッチリやって、内枠でも肩入れするらしい。

さて、女好きでは人後に落ちない気がするわが身だが、ここは定石どおり外枠の⑮モズメイメイを狙ってみる。相手はやはり実績のある⑧マイヨアポアがなにか心を弾ませてくれそうだ。直線競馬は一瞬のうちに結末が見えてくるので、それだけにつかの間のワクワクを楽しみたいものだ。


アイビスSD
⑧-⑮ ワイド1点で勝負する
⑧-⑮ 2頭軸の3連複総流し16点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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