東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2024年4月13日]

【皐月賞】1週間前から確信に近い予感あり!

私は1990年の春から1年間はロンドンに居住した。平日はロンドン大学研究所の付属図書館で専門の仕事に精を出し、週末は競馬に熱中する。徒歩で5分もしないところにブックメーカーがあるから、いつでも楽しめる。

G1の大レースは土曜日にやることが多いので、滞在中はできるだけG1は現場の競馬場で観戦することにした。ニューマーケット競馬場の1000ギニーも2000ギニーも、エプソム競馬場のオークスもダービーも、ドンカスター競馬場のセントレジャーも目の前で観た。

また、アスコット競馬場のキングジョージも、仏シャンティー競馬場の仏ダービーも仏ロンシャン競馬場の凱旋門賞も観戦したし、ほかにも多くのG1レースを現場で観戦した。

晩秋には1週間ほど渡米してベルモント競馬場の一連のブリーダーズCまで観戦したのだから、競馬ファンとしては夢のような日々だった。

ところで外国に長期滞在すると、どうしても銀行口座がいる。私もなんとか手続きをして開設してもらい、まだ解約していないので今でも持っている。英語圏といえども外国だから、言葉ばかりか商慣習も異なるから、手続きはなにかと面倒である。

今ふりかえれば、大谷くんの元通訳の銀行口座詐欺容疑も起こるべくして起こったという気がする。おそらく口座開設にあたっては手続きの多くを水原容疑者にやってもらっていたにちがいない。

たとえば、暗証番号の設定にしても、日本なら自分で番号を選べるが、欧米では少なくともイギリスでは銀行側から番号を指定するシステムになっている。ここらへんに容疑者がどこまで関わっていたか、それは微妙な問題だったにちがいない。

さて、皐月賞だが、これという1頭がいなく人気は割れている。

口撃機関銃ヤマさんはお世辞にも上手な競馬ではなかったのに、それでも勝った⑰ビザンチンドリームが本命らしい。クラシック未登録で追加登録料200万円を払っての参戦で、陣営の本気度が滲み出ているという。危険なところもあるが、狙うらしい。相手本線は、⑭シンエンペラーと牝馬⑩レガレイラで、単勝・馬連・3連複・3連単でいくらしい。

ギャンブル狂師ミノ先生は、ボケが来て何が何だか分からない理由で⑭シンエンペラーを狙っているらしい。穴党専科のマスターは、前走きさらぎ賞の圧勝ぶりに注目して②メイショウタバルの単複勝負でいくという。

ところで、私は1週間前から⑭ビザンチンドリームと決めていた。理由はミノ先生同様で訳もわからない。でも、確信に近い予感があるから、怖いほど。もう1頭はルメール不在で多少は人気が下がったが、北村騎乗でも心配なく⑩レガレイラでいってみる。紅一点でもホープフルS優勝馬は無視できない。


皐月賞
⑩-⑰ ワイド1点で勝負する
⑩-⑰ 2頭軸に②⑧⑭の3点を加えて3連単マルチ18点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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