東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2023年5月13日]

【ヴィクトリアM】アプローチを変えても4歳馬は強かった!

金曜日の夜、仕事が終わり居酒屋で飲んでカラオケスナックで5曲ほど唄った後、忘れ物をしたのでオフィスに戻って来た。ところが、そのまま眠りこんでしまい、気が付いたら2時半だった。この時間になったら、もうタクシーを拾うのも難儀とわかっているので、家人に「オフィスお泊り」のメールを送って、この原稿を書いている。70代の高齢者がこんな生活をしていいのかとも思うが、今のところ大病をかかえているわけでもないので、なんとか無事でいられる。

ところで、19世紀の大英帝国に君臨したヴィクトリア女王は82歳で逝去するまで、在位64年だった。彼女が寵愛したディズレーリ首相は、1878年のベルリン会議のティータイムの場で、ドイツ=プロイセンの鉄血宰相ビスマルクから、「貴国は相変わらず競馬がお盛んですか?」と尋ねられたらしい。「もちろんそうです」と答えたところ、ビスマルク氏は「それは結構なことです。競馬が盛んな国なら社会主義思想がはびこりませんからね」と唱えたという。この記録は、ヴィクトリア女王宛のディズレーリの書簡に残されているそうだ。

ともあれ、ヴィクトリアM。口撃機関銃ヤマさんは、東京マイル実績を買って⑪ナミュールを本命とするらしい。2冠牝馬②スターズオンアースとは2勝2敗で、マイル適性はむしろ高いという。相手本線は、もちろん②と⑯ソダシの2頭(馬単が勝負馬券とか)。穴に⑧ララクリスティーヌを抜擢して、ほか4頭をあげ、単勝・馬連・馬単・3連複・3連単と手広くいくらしい。

ギャンブル狂師ミノ先生は、昨年の安田記念の勝馬⑥ソングラインの末脚を評価するという。なにしろリピーターだし、東京コース適性ありとふんでいるらしい。穴党専科のマスターは、ディープインパクト産駒の⑮ルージュスティリアに注目するという。

さて、このごろ居眠りのせいで失態をおかしてしまい、面目がつぶれそうなときがある。先週もケンタッキーダービーの早朝、6時に起きたのはいいが、馬券検討中にまた眠りこんで目が覚めたのはレース直前。まあ馬券は買わずに済んでラッキーとしておこう。

さて、雲行きがあやしく、良馬場はのぞめそうにない。ならば、いっそのこと重実績のある穴馬を狙って③サウンドビバーチェ⑫ナムラクレアに白羽の矢をあてる。やはり4歳馬が強かったということにも期待する。


ヴィクトリアM
③-⑫ ワイド1点で勝負する
③-⑫ 2頭軸に②⑥⑪⑯をからめて3連単24点で遊ぶ


コチラも注目
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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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