東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2023年4月15日]

【皐月賞】馬場は重でも心は良となれ

今週末の東京は雨模様。土曜日に雨が降ると、20代後半に付き合っていた年上の女性のことを思い出す。こちらは大学院生だったが、あちらはれっきとした勤め人だから、土曜日の昼下がりに会うことが多かった。なぜだか雨の日が多く、三善英史の歌「雨にぬれながらたたずむ人がいる 傘の花が咲く土曜の昼下がり……」が鮮烈によみがえってくる。今や土曜日になり雨が降ると、競馬場の馬場状態が気になる高齢者になってしまいましたね。

居酒屋「青夷」の馬券常連組も週末の天候が気になるのは誰しも同じだろう。それでも口撃機関銃ヤマさんは先週の桜花賞で馬連・3連複・3連単を的中させて、今年の回収率100%超と得意満面。お得意のデータをふりかざして、芝重賞3着以内の実績は絶対必要条件と太鼓判で、本命⑦ファントムシーフ、相手本線⑮ベラジオオペラといくらしい。馬連・3連複・3連単で強気の勝負気配だ。ギャンブル狂師ミノ先生は、自信たっぷりで⑤フリームファクシを狙うという。なにしろ、4戦2000m連対、重に強いルーラシップ産駒、須貝厩舎の2頭出し、右回り圧勝実績があり、鉄板のごとく馬連でいくらしい。穴党専科のマスターは、キャリア8戦もあるがいずれも好走している⑧トップナイフを狙うという。強気の単勝と馬連で手広くいくらしい。

さて、混戦模様のクラシックだが、ロードカナロア産駒3頭のなかから最も人気のなさそうな⑪シャザーンを狙ってみる。前走すみれSの強烈な末脚はただ者ならぬところがあった。相手は、雨の不良馬場の天皇賞(秋)を制したキタサンブラックの産駒①ソールオリエンスに白羽の矢をあてる。馬場は重でも心は良となることを願っておく。


皐月賞
①-⑪ ワイド1点で勝負する
①-⑪ 2頭軸3連複総流し16点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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