東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2022年10月22日]

【菊花賞】狙いは調子が良さそうなステイヤー

30数年来、東大や早大などの「教養」と名のつく学部で歴史教育にたずさわってきた。そのせいか、狭い地域や短い時代の専門的な歴史よりも世界史という大河のなかで人類の営みを考える姿勢が大切なことを講義してきた。そこでは、普遍的な生活様式になる「文明」と自然環境に左右されやすい生活様式の「文化」との差異はしばしば気になるところだった。

今年のパリロンシャン競馬場の凱旋門賞をテレビ観戦して、日本馬惨敗の結果につくづく「競馬は文明だが、レースは文化だ」という思いをいだいた。居酒屋「青夷」で、そんな感慨を口撃機関銃ヤマに語ったところ、是非とも文章にまとめてほしいとの希望があった。そこで、ある業界の日刊紙に月1回の「時評」を担当していたので「文明の競馬と文化のレース」という見出しの小文をつづった。その記事をJRAの広報部にも送ったところ「とても教えられるところのある議論です」とのお褒めの言葉もいただいた。この欄で詳しく書くスペースはないが、なんとなく言いたいことは分かってもらえるのではないだろうか。

さて、まったく混戦の菊花賞。世界的にマイル~中距離重視に傾きがちなせいか、春のクラシック戦線の有力馬が出てこない向きがある。ヤマさんは、スクリーンヒーロー産駒でもともと菊花賞を視野に入れていた匂いのする④ボルドグフーシュが自信の本命らしい。相手本線はトライアルの1・2着馬を3頭選び、単勝・馬連・3連複・3連単で行くという。ギャンブル狂師ミノ先生は、長距離の阪神大賞典に強いハーツクライ産駒の⑱セレシオンが大外でも狙えると意気込み、ワイド総流しで行くらしい。穴党専科のマスターは、相当心肺機能が高そうな⑬ディナースタに注目して、単複・ワイドで狙うらしい。

皐月賞・ダービーの好走馬が出走しないせいか、どこか盛り上がる気分が乏しい気がする。かつてダービーは最も幸運な馬が、菊花賞は最も強い馬が勝つと言われていたのだが、今では最も調子の良さそうなステイヤーが勝つとでもしておこう。父馬が菊花賞馬であるのを適格条件にして、キタサンブラック産駒①ガイアフォースとエピファネイア産駒⑫ヴェローナシチーを狙ってみる。鞍上も松山・川田とくれば心強い。せめて馬券だけでも盛り上がってみたいものだ。


菊花賞
①-⑫ ワイド1点で勝負する
①-⑫ 2頭軸の3連複総流し16点で遊ぶ


motomura

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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