東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2020年3月7日]

【弥生賞ディープインパクト記念】春一番の風にのって…

15年前の弥生賞は、もちろんディープインパクトが勝利した。でも、前走の若駒Sが余りにも派手な最後方からの追込み圧勝だったから、その再演を期待していたファンにはいささか物足りないものだった。クビ差ほどの勝ち方で、ディープが優勝したレースのなかでも最も地味だったような印象がある。クラシック本番の皐月賞を控えて、かなり余裕のある仕上げだったのだろう。

その弥生賞にディープインパクト記念が併記される。不運にも先週につづいて無観客開催だが、静寂な環境が競走馬にとって悪いはずがない。ここは精神面での負担が少ない分だけ、実力を全開してほしいものだ。

私にはいささか社会的にノイローゼ気味にも思えるコロナ騒動だが、オリンピックを控えている開催国としては仕方がないところだろうか。居酒屋「青夷」はほとんど常連でもっているせいか、客が減った気配はない。会社もテレワークに切り替わった口撃機関銃ヤマだが、PC持ち込みでも家では仕事ができないとボヤくことしきり。弥生賞では、ホープフルSで不利があった⑩オーソリティが本命、相手も同じく不利があった⑧ワーケアを狙うらしい。ギャンブル狂師ミノ先生は、今の馬場なら⑥ウィンカーネリアンの逃げ切りを期待するという。穴狙い専科のマスターは、末脚を生かせる展開になれば⑤ブラックホールを注目するとか。人気は分かれるが、こんなときこそ誰かが当たる気がする。

昨年末のホープフルSの優勝馬コントレイルから0.5秒差3着の⑧ワーケアと0.8秒差5着の⑩オーソリティが人気なら、1勝馬レースながらコントレイルと同タイムで勝った①サトノフラッグでも充分勝負になる。相手は、人気の2頭には目をつぶって、前走は休養明けで凡走した⑤ブラックホールを2戦目で狙ってみる。奇しくもマスター馬券と重なるが、春一番の風にのってコロナ鬱を晴らしてもらいたいものだ。

弥生賞ディープインパクト記念

①-⑤ ワイド1点で勝負する

①-⑤の2頭軸で3連複総流しの9点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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