東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年10月19日]

【菊花賞】欧州の至宝サドラーズウェルズに…

本日(土曜日)の深夜、英チャンピオンS(約2000m)がある。われらがディアドラも出走するのだが、日本では馬券の発売はないらしい。イギリスでは上半期を締めくくるのがキングジョージなら、下半期を締めくくるのがチャンピオンSである。かの21世紀最強のマイラーといわれる14戦無敗のフランケルが最後に走ったのがこのレースである。アスコット競馬場の貴賓席にはエリザベス女王がおられ、大衆席には私がいた。でも、どちらも自分の眼で観戦したことは変わりない。

伝統の菊花賞が来ると、やはり秋を感じさせる。居酒屋「青夷」も心なしか活気をとりもどしつつある。先週末、台風19号に直撃されたが、土嚢を積んで防戦した甲斐あって、店は無事だったらしい。

ところで、データ派の口撃機関銃ヤマはめずらしく今回は自信がないらしい。皐月賞2着、ダービー3着で押し出されたように本命視される⑬ヴェロックスは今一つ信頼できないらしい。なによりも、本来はマイル・中距離系のジャスタウェイの産駒であることが不安だという。本命は、データを無視して、ルメール騎乗のハービンジャー産駒②ニシノデイジーを狙うらしい。相手は⑬をふくむ5、6頭をからめて馬連、3連単でいくという。ギャンブル狂師ミノ先生も血統重視で⑬レッドジェニアルを狙うらしい。母の父マンハッタンカフェの長距離適性はとくに魅力があり、マンカフェ産駒応援団長の熟女馬券師ワフさんも同調する。穴狙いのマスターは前走大楽勝の⑮ホウオウサーベルに注目しているとか。調教師試験に苦慮する蛯名騎手にもエールを送るとか。

菊花賞は血統重視は鉄則だから、ディープインパクト産駒で母の父に欧州の至宝サドラーズウェルズをもつ⑭サトノルークスを狙ってみたい。相手は馬より川田騎手に期待して⑬ヴェロックスで行く。同枠隣組のよしみで連れだってゴールしてほしい。

菊花賞

⑬-⑭ ワイド1点で勝負する

⑬-⑭の2頭軸で3連複総流し16点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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