東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年7月06日]

【七夕賞】馬場適性を考慮して

7月7日の七夕賞で枠連7-7のなかに7歳馬に乗る菜七子がいたらどうなるか。居酒屋「青夷」の競馬常連組で話題騒然。おりしもウィメンジョッキーズWCで藤田菜七子騎手が総合優勝を果たし帰国したばかりで勢いがあるし、どっと話がもりあがった。妄想たくましい予想だが、実現しなかったのは同騎手が7枠に入らなかったことだけだ。

といっても馬券は別。口撃機関銃のヤマは上昇中の5歳馬の⑮クレッシェンドラヴを狙っているらしい。夏場に強いステイゴールド産駒であり、中山巧者であるから福島にも適性充分だとか。対向には4歳の上がり馬の③ロシュフォールを拾うという。ギャンブル狂師ミノ先生は重賞ウイナーで前走着外馬が馬券にからんでいて、該当馬4頭のなかから人気薄の⑬ウインテンダネスをひそかに狙っている。穴馬専科のマスターは、昨年も優勝馬を出したタニノギムレット産駒に注目して、逃げ馬⑭ブラックスピネルを軸にワイド総流しで勝負するという。

福島のような小回りコースでは馬場適性がかなり大きいのではないか。ここは2戦2勝の⑬ウインテンダネスに注目する。ミノ先生と同じ狙いになるのは心強いかぎり(社交辞令)。もう1頭はマスター白羽の矢のタニノギムレット産駒でも母ウオッカになるが、⑧タニノフランケルを狙ってみる。このところの凡走でいささか人気が下がっているのがいい。ミノ先生とマスターの折衷馬券が当たるのを祈る。

七夕賞

⑧-⑬ ワイド1点で勝負する

⑧-⑬の2頭軸で3連複総流し14点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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