東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年5月4日]

【NHKマイルC】新しい時代の幕開けには…

今年の誕生日は尋常ではなかった。なにしろ5月1日なのだから、通常ならメーデーと重なるにすぎないのだが、今年は令和元年の初日に当たったのだ。おかげで「令和じいさん」という目出度いような、ありがたいような異名までいただいた。十数年前のことだが、皇太子(現天皇)の家庭教師を務めたことのある先輩から「本村さんは皇太子と話が合うはずだよ」と言われたことがある。残念ながらお会いすることはなかったが、もしお会いできる機会に恵まれれば、オックスフォード留学時代にアスコット競馬場に行かれたときの印象などをお聞きしてみたいものである。

云うまでもなく令和最初のG1レースNHKマイルC。居酒屋「青夷」の競馬常連組も気分を新たに決意を秘めている。それでも「⑦グランアレグリアの強さはどうしようもない」とデータ派の口撃機関銃ヤマも脱帽気味。それでも紐には人気薄をからめて⑧ヴァルディゼール、⑫ワイドファラオ、⑮ヴィッテルスバッハ、⑯トオヤリトセイトを狙うらしい。しかも、⑰アドマイヤマーズは軽視するという強気でいる。ギャンブル狂師ミノ先生は⑮を軸に人気馬2頭の⑦と⑰をからめた馬連・3連単でいくらしい。穴狙いのマスターは初来日でも目立っているレーン騎手の腕に期待して⑥グルーヴィットを狙うとか。

新しい時代の幕開けには、今売り出し中のロードカナロア産駒がふさわしい。中距離もこなせるが、やはりマイルがベストだろう。出走馬5頭のなかから、⑥グルーヴィットには未知の魅力がある。鞍上もよし。相手はもちろん桜花賞馬⑦グランアレグリアで仕方がない。

ところで明日早朝のケンタッキーダービーだが、日本馬⑮マスターフェンサーではまず無理だろうが、遊びの複勝でも買うのもいい。狙いは上昇馬⑧タシトゥス(Tacitus)である。日本ダービーの本命馬サートゥルナーリアが古代ローマのお祭りなら、Kダービーは古代ローマの歴史家が似つかわしい。相手は4戦全勝のフロリダダービー馬⑦マキシマムセキュリティを狙ってみる。早起きするぞ。


NHKマイルC

⑥-⑦ ワイド1点で勝負する

⑥-⑦2頭軸の3連複総流し16点で遊ぶ

ケンタッキーダービー

⑦-⑧ ワイド1点で勝負する

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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