東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年4月6日]

【桜花賞】桜も馬券も花ざかり

「桜の花の下で見る 夢にも似てる人生さ」 

石原裕次郎が唄う「わが人生に悔いなし」の三番の歌詞で、私が最も好きな部分である。今春の桜は開花が早かったわりには寒い日が多かったせいか、桜花賞の日に満開から散っていくという見ごろである。これに合わせて、馬券も花ざかりで見ごろと行きたいものだが、散るのが早かったりでは浮ばれない。

吉祥寺の居酒屋「青夷」では、先週の大阪杯で、アルアイン本命はよかったものの、キセキを軽視して馬券をとり損なった口撃機関銃ヤマ。ところが、WIN5が的中して26万9810円を手にして上機嫌の花ざかりだ。桜花賞も④クロノジェニシス、⑧グランアレグリア、⑮ダノンファンタジーの3頭とほかの馬との差がありすぎるとご託宣。ここは確実に33秒台の末脚をみせる④を軸にして北村友一騎手のG1連覇を狙うらしい。ギャンブル狂師ミノ先生は1800mにも実績があって阪神負けなしの②エールヴォアに目をつけ穴っぽくいくという。もともと穴狙いのマスターはやはり切れ味鋭い⑯シゲルピンクダイヤを狙うらしい。

ところで、相手なりに走る馬というのがいる。③ノーブルスコアは1勝馬でも5戦着外なしの堅実タイプではないだろうか。400万条件の身で出走できる幸運にも恵まれ、岩田騎手の手綱さばきで好枠から抜け出して3着なら、あってもおかしくない。

相手は⑮であり、馬の強さも川田騎手の手腕も今や眩しい域にある。

馬券を獲って、野川沿いに最後の花見の美酒と行きたいものだ。


桜花賞

③-⑮ ワイド1点で勝負する

③-⑮の2頭軸で②④⑧⑯の4頭をからめて3連単24点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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