東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2019年1月4日]

【金杯】新春早々の美酒に酔いしれたい

吉祥寺の居酒屋「青夷」は、新春3日がオープンで、騒々しい常連組が集まった。年末年始、暇はあっても競馬がなければ、酒杯を片手にもてあまし気味。

夕方早々、カウンターはいっぱいに埋まってしまった。

いつから飲んでいるのか、口撃機関銃ヤマはいつになく大人しい。どうも横に愛妻ミナ姉御がいるので控え目なのだろうが、「今年は聞き役にまわることにしました」などと出来もしない新年の誓いをご披露だが。

「金杯は?」と訊くと、待ってましたとばかり「中山金杯は中山実績十分で昨年2着の雪辱を期待して⑪ウインブライトでほぼ決まりとか。これには慧眼のギャンブル狂師ミノ先生も同調して早目に祝杯をあげんばかりの勢いなのだが。ときどき妙に高配当馬券を当てる穴狙いのマスターは会社休みの愛妻おタカ姉さんまでも横で働かして大忙しの、獅子舞い、馬鹿舞い、てんてこ舞い。おい、ちゃんと給金はやっとるのかと余計なお世話も言いたくなる。それでも中山は高配当必須の⑨ストロングタイタンを狙うらしい。

京都金杯、ヤマは「不動の本命」③カツジをぶち上げ、ミノ先生は堅実路線で⑫パクスアメリカーナの「鉄板」馬券とか。猫の手も借りたいマスターは早速①ストーミーシーで新春祝いの高配当馬券を狙うという。

さて年男になった俺ちゃんだが、中山は、フランケル+ウオッカの世界的良血が開花することを願って①タニノフランケルに賭けてみる。もう1頭はヤマ推薦の「不動の本命」⑪できっぱり決めてもらおう。京都は、なんとなく⑥アドマイヤアルバが臭そうな気がする。岩田康誠騎乗は心強いが、日本語会話力でMデムーロに負けそうなどと噂されぬように、しっかり活躍してほしい。相手はミノ先生推薦の「鉄板」⑫に期待する。

新春早々の美酒に酔いしれたいものだ。

中山金杯

①-⑪ ワイド1点で勝負する

①-⑪の2頭軸で3連複総流し14点で遊ぶ

京都金杯

⑥-⑫ ワイド1点で勝負する

⑥-⑫の2頭軸で3連複総流し15点で遊ぶ

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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