東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2016年5月21日]

【オークス】3匹目のドジョウは!?

先週のヴィクトリア・マイルは久しぶりに快心の予想だった。GⅠ馬7頭出走でもGⅠ2勝となると3頭にしぼられ、彼女たちの底力に賭けると狙い、期待どおり1~3着独占だった。ワイド党としては⑩-⑬の1点勝負だったが、その幸運には前兆があった。

先週の土曜日、競馬の銀行口座に預け忘れたために、昼ころに府中まで行って翌日のワイド馬券⑩-⑬を買ったつもりだった。ところが、マークシートの前日発売の欄を塗りつぶさずいたから、当日の京王杯スプリングCのワイド馬券になっていたのだ。その場で気づくわけがないから、夕方になって馬券を取り出したら買ったはずのヴィクトリア・マイルの馬券がないことに衝撃。急遽、電話で友人に翌日のヴィクトリア・マイルの馬券を頼んだわけだ。

ところが、後で確認したら、京王杯スプリングCも1着⑩サトノアラジン、2着⑬サンライズメジャーでワイド11倍ほどの配当で的中しているではないか。まさしく怪我の巧妙で転がりこんだ幸運だった。

13歳まで熊本にいたから、このところ競馬で儲かった金の大半は被災者支援で寄付しようと思っていた。その心掛けが招いた幸運だったのかもしれない。

さて、3歳牝馬の女王決定戦オークス。ここはうら若き3歳牝馬とは言えないが、口撃機関銃の愛妻ミナ姉御のご意見うかがい。酒に酔った勢いか、夫に負けないほど自信たっぷりの口ぶりで

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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