東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2016年1月4日]

【東西金杯】英断するのも戦術のうち

マンションの最上階に住むせいで、自宅のベランダから富士山がよく見える。今年の3が日は晴天に恵まれ、大らかな富士山の姿がくっきりと浮かんで見えた。「毎日、見ていて飽きませんか」と尋ねられることがあるが、飽きないね、と答えるしかない。それは寒暖にともなう積雪の量に応じて、山の表情が微妙に変わるからだろう。

ところで、居酒屋「青夷」は新年早々ではお休み。その代わりに、それぞれの「年賀メール&金杯予想」が殺到。まずは中山金杯だが、データ派の口撃機関銃ヤマは「前走2100メートル以上は消し」「4歳馬苦戦」と指摘しておきながら前走が菊花賞の4歳馬⑥ブライトエンブレムを能力が抜けているとして本命にするという。頭が狂ったのは深大寺で厄払いを済ませたせいか。久しぶりの5連休で英気を養ったマスターは中山⑭ライズトゥフェイムを狙うらしい。次に京都金杯だが、ヤマ予想では⑯トーセンスターダムが京都コースにどんぴしゃりとか。マスターは④ケイティープライドで大穴を狙うらしい。ギャンブル狂師ミノ先生は前走目のさめる差し脚を見せた⑨オメガヴェンデッタを狙うとか

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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