東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2018年10月27日]

【天皇賞・秋】見た目を信じて

かつて『人は見た目が9割』という本がよく読まれた。喋りがうまいのに信用できない人と無口なのに説得力のある人とはどこに違いがあるのか。それを左右するのは「見た目」であるという。なるほど目を閉じてその判断をするのは難しいだろうな、と思う。

ところで、「馬は見た目が9割」と言えるだろうか。競馬ファンには興味深々だが、その絶好の機会がやって来た。明日の東京競馬場「天皇賞」における「ベスト・ターンドアウト賞」の審査員を依頼されたのだ。「ターンドアウト(turned out)」とは「よく盛装された」の意であり、「手入れのいき届いた」あるいは「見た目がいい」ということ。つまり「最も見た目のいい」馬に賞を与えるのだ。これはじっさいに馬の手入れをする厩務員には励みになり、彼らの努力に日を当てる大事な賞でもある。

そこで競走馬がパドックに入る前の装鞍所でも観察し最後にパドックで見て選ぶことになる。審査員のもう一人は松山康久氏、三冠馬ミスターシービーの調教師(元)として名高い方である。 いわばプロとアマで選ぶ「見た目のいい」馬である。

吉祥寺の居酒屋「青夷」では、なぜだか⑩キセキを狙う馬券常連組。穴狙いらしくマスターは本線の軸にするという。口撃機関銃ヤマは⑤スワーヴリチャードと⑥マカヒキおよび⑩の3点ボックス狙い。ギャンブル狂師ミノ先生は本命⑤と対抗⑩の本線狙い。マンハッタンカフェ産駒出番なしで熟女馬券師ワフさんはスタート十分前まで思案するとか。

ところで、断っておくが、「見た目がいい」馬と「勝てそうな」馬は同じではない。でも、

見た目がいいと勝てそうに思える。騙されないためには「馬は見た目が5割」と自戒して馬券を買うことにしよう。

ここは本番のパドックまで待っていられないので、競馬週刊誌の「誌上パドック」で見た目のいい馬を検討してみる。やはり毛ヅヤのいい馬は良く見える。前走時の写真と比べてとくにいいのは、④レイデオロと⑩キセキが光っている。昨年のダービー馬と菊花賞馬だから、実績から言えば文句ない組み合わせだ。自戒したのに、やはり「見た目がいい馬」が勝てそうに見える。まあ、いいか。


天皇賞・秋

④-⑩ ワイド1点勝負

④-⑩の2頭軸で3連複総流し11点で遊ぶ




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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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