東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2025年3月29日]

【高松宮記念】一発は英傑の潔さ!

人間は一度手にした権力をなかなか手放せないのだろうか。フジ=サンケイ・グループのドンといわれた日枝久氏がやっと主権の座から降りる気になったらしい。40年も同グループの事実上の支配者であったというから、凄まじいかぎりだ。たしかに、フジ=サンケイ関連はおもしろい見世物を出してくれていたが、近年になっていささか勢いが衰えていた。その原因はともかく、ドンが降りるというのは分かりやすい決着である。

ローマ皇帝のなかで唯一自分から皇帝の座を降りた人物がいる。ディオクレティアヌス帝は284年から20年間君臨しながら、60歳で潔く辞めたのだ。引退後、一度だけ公の場に出てきたとき、復帰を望む声があったが、彼はきっぱり言ったという。「私が、今、庭園のキャベツの世話にどんなに熱心であるかを見たら、諸君はそんな願いは無駄だと思うだろう」と。このディオクレティアヌスの気概を日枝氏がもっと早く知っていたら、きっと周りに幸運をもたらしていたにちがいない。

さて、小雨が降っている土曜日。明日の中京の馬場が気になるところ。口撃機関銃ヤマさんは、上位混戦で難解としながら、⑩サトノレーヴが本命の狙いらしい。平坦コースで期待がもてるし、鞍上モレイラも好材料で、GI初制覇と行きたいところだ。相手本線は、①マックドール、⑥ルガル、⑭ナムラクレアの3頭で、馬連・3連複・3連単で行くらしい。ギャンブル狂師ミノ先生も、8月の札幌でのキーンランドCの勝ちっぷりがよかったとサクラバクシンオーの孫⑩サトノレーヴにべた惚れで、相手も昨年の高松宮記念の1・2着馬の①と⑭でOKとか。馬連・ワイドで狙うらしい。穴党専科の居酒屋「青夷」のマスター・ジュンは、荒れるGIと見なして思いっきり穴馬に目をつけ、⑰ドロップオブライトから上位有力馬へ馬連・ワイドで狙うらしい。

さてさて、スプリントGIを小回りコースの中京でやるのには昔から反対である。スタート地点の内外の差が激しくて、レースの公正さがどれほどあるかは甚だ疑問であるからだ。とうぜんながら、逃げ・先行馬が内枠に入った場合は有利だろう。最内枠の①②③の3頭のなかから、①マックドールが最強だが、③ビッグシーザーの上り調子も捨てがたい。ここはカエサル(シーザー)とも比肩される英傑のディオクレティアヌス帝にあやかって、③ビッグシーザーの潔さに賭けてみたい。相手は名手ルメール騎乗の本命馬⑭ナムラクレアの差し脚に期待する。


高松宮記念
③-⑭ ワイド1点で勝負する
③-⑭ 2頭軸3連複で①⑥⑩⑮の4点に流す

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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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