東京大学名誉教授が射抜くワイド1点

[2024年11月16日]

【マイルCS】危険は承知でも狙ってみたい人馬に勝負を託す!

先日、映画の試写会で「グラディエーター II」を観た。前作は世界的な大ヒット作であり、米アカデミー作品賞を受賞した大作。再びリドリー・スコット監督が指揮する続編であり、前作とも密接につながった復讐劇である。アフリカ出身のルシアスは、侵攻したローマ軍によって妻を殺され、ローマ軍の将軍に復讐すべく、首都ローマで剣闘士になる。

実のところ、ルシアスは前作の主人公マキシマスと先の賢帝の娘との間に生まれた息子であることが徐々に明らかになり、物語は感動と涙をさそう。前作に胸を熱くした観客には、これ以上話すわけにはいかないが、ぜひとも凄まじい興奮と魅力を味わっていただきたいものだ。でも、燃えるG1の迫力にかなうかどうか、それは観る者次第だろう。

今年のマイルCSは、欧州最強マイラーの⑪チャリンが出走するとあって、がぜん意気上がるG1だが、芝の深い競馬場でしか走ったことのない馬が軽い日本の馬場で通用するかどうか、だろう。口撃機関銃ヤマはいささか懐疑的らしく、どうやら、スタミナ血統のハービンジャー産駒ながらマイル戦に挑戦しつづける④ナミュールを狙うという。昨年のマイルCSの勝馬だし、半年近くの休養明けでも鉄砲実績があり、信頼感があるらしい。相手は⑤、⑬の2頭、抑えは②、⑪、⑮の3頭であり、馬連、3連複、3連単でいくという。

ギャンブル狂師ミノ先生も、鉄砲走る④ナミュールの連覇だとか。相手筆頭は⑮セリフォスを狙い、人気の②ブレイディヴェーグは2走ボケの危険で敬遠するらしい。

穴党専科のマスター・ジュンは、前哨戦の富士Sの優勝馬⑤ジュンブロッサムに注目して、上位有力馬への馬連でいくらしい。

さて、久しくやって来た欧州馬には好走してほしいという思いから、危険は承知でも⑪チャリンを狙ってみたい。もう一頭は休養明け2戦目の5歳馬⑮セリフォスにする。私と川田騎手との相性は悪く、私が狙えば必ずといっていいほど馬券にからまないことが多い。それも、心から承知でもあえて狙ってみる。欧州最強馬と名手川田騎乗で表向きはいいが、さてどうなることやら?


マイルCS
⑪-⑮ ワイド1点で勝負する
⑪-⑮ 2頭軸に3連複総流し15点で遊ぶ


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『ワイドの凌』よりひと言

昭和の「エースの錠」が拳銃を片手にのさばってから半世紀が流れた。平成を経て令和の世は馬券を片手に「ワイドの凌」でいきたい。狙い目はできるだけ少なく、基本はあくまでワイド1点勝負。ワイドは当たり馬券が3つもあるのだから、的は見えやすい。馬券は手を拡げると、あの馬も買っておけばよかったと悔やまれる。できるだけ狙い目を絞れば、そんな後悔もせずにすむ。人生は短いのだから、ストレスをかかえこまず、心ゆたかに競馬も馬券も楽しむこと。それがこの世界で長生きする秘訣である。

本村 凌二

1947年5月1日、熊本県八代市生まれ。
東京大学名誉教授。
専門は古代ローマの社会史。専門の近著に『ローマ帝国人物列伝』『一冊でまるごとわかるローマ帝国』

「もし馬がいなかったら、21世紀も古代だった」という想念におそわれ書き起こした『馬の世界史』が2001年JRA馬事文化賞を受賞。その他の競馬関連の近著に『競馬の世界史 - サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公新書)。20世紀のペンネームは本村雅人。

ハイセイコーが出走した1973年の第40回東京優駿日本ダービーから、第57回を除き、毎年東京競馬場でライブ観戦するなど、日本の競馬にも造詣が深い。
夏から秋にかけてはヨーロッパで過ごす事が多く、ダンシングブレーヴが制した、あの伝説の凱旋門賞や、タイキシャトルが勝ったジャック・ル・マロワ賞。また、シーキングザパールが日本調教馬として初めて海外GI競走を制したモーリス・ド・ギース賞などをも現地でライブ観戦している。競馬と酒をこよなく愛する、知る人ぞ知る競馬の賢人。

伝説の凱旋門賞
勝ち馬ダンシングブレーヴの他、ベーリング、シャーラスタニ他、JCにも参戦した鉄女トリプティク、そして日本ダービー馬シリウスシンボリも含め出走馬15頭中11頭がGI馬という当時としては最強のメンバーが集結したレース。そんな好メンバーの中、直線入り口最後方から全馬をまとめて差し切り勝ち、しかも当時のコースレコードのおまけ付だった。

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