元教官・蓑田早人の蓑田塾
親子三代制覇も見てみたいが…
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こんばんは。蓑田です。
横山和生騎手は、勝てば天皇賞春の騎手としての親子三代制覇が懸かっている。祖父の横山富雄元騎手が1971年にメジロムサシで天皇賞春を勝ち、父の横山典弘騎手はサクラローレル、イングランディーレ、ゴールドシップで天皇賞春は3勝している。
横山富雄さんがメジロムサシで勝った時は、私は騎手になって2年目くらい。当時は障害の人だと思っていた横山富雄さんが急に平地の大舞台で活躍し始めて驚いた記憶がある。
横山富雄さんが平地で乗るようになったのは、メジロムサシの前にメジロタイヨウという馬の主戦を任されて結果を出したから。
メジロタイヨウでは秋の天皇賞を勝っているから、横山家は天皇賞秋の三代制覇は武史の方で既に達成しているんだね。
牧場、そして血統として天皇賞春の父子三代制覇を成し遂げたのがメジロで、騎手として父子三大制覇に迫っているのが横山。しかも横山富雄さんが平地の騎手として大成するキッカケとなったのもメジロの馬。何か因縁めいたものというか、不思議な縁を感じるね。
ちなみに、不思議な縁といえば菱田が騎手を志したキッカケというのが、横山典弘がイングランディーレで勝った天皇賞を競馬場で見ていたかららしいね。当時は知らなかったが、もしかすると学校に入った時から菱田は和生を意識していたのかもな。
最後に、せっかくの話にオチを付けるようだが、私はディープボンドとシルヴァーソニックから馬券を買おうと思っている。もちろん和生も菱田も応援するし、伊藤工真のG1挑戦にも注目しているが、馬券となると一番強いのはディープボンドなんじゃないか。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
阪神1R | ダ1800m | タイセイシュネル | B |
阪神2R | ダ1200m | ジョーリベリカ | B |
阪神11R | 芝3200m | タイトルホルダー | A |
今週は昨年に続いて阪神競馬場で天皇賞・春が行われる。どうやら、タイトルホルダーが2番人気、テーオーロイヤルが3番人気という形になりそうだね。
タイトルホルダーに騎乗する横山和生騎手とテーオーロイヤルに騎乗する菱田裕二騎手は同い年で、共に27期生として競馬学校に入学している同期なんだよ。その二人がどちらも勝てば初G1勝利というところで人気馬に乗って対決することになる。
ただし、知っている方は知っているかもしれないが、菱田の方は28期生として1年遅れで騎手になっている。実は、1年生から2年生に上がる時に1年留年しているんだ。
その理由は、色々と説明が難しいところもあるんだが、一言で言うならメンタルというところかな。馬乗りの技術が足りないとか、学科の成績が悪いとか、それこそ非行や規則違反があってということでもなかったんだが…。他人との関わり方とか、自身の精神面とか、そういうところで「このまま進級させて騎手にして大丈夫か?」という部分があってね。
私は27期生が1年生だった時は一つ上の26期生を担当していたので、当時は本当に詳しいところまでは菱田の問題は知らなかったんだが、結果的には1年留年させて学校として菱田と向き合って、色々な対策をしたことが良い方に繋がったと思っているよ。
学校としても、菱田の件があって以来、授業に外部のカウンセラーを呼んでのメンタルの授業を行うようになったんだ。あれも時代の流れだったのかな。騎手の世界、競馬の世界というのも世の中と同じでどんどん変わっていくものだね。
あとは個人的に覚えている出来事として、菱田の親御さんが毎週日曜日に、入学してから欠かさず直接競馬学校まで来ていたんだ。それも、留年しての2年目の夏までだ。これも菱田の精神的な問題に影響しているという話になってね。最終的には私が門の前で待っているお父さんに、ちょっと厳しい言葉でもう来ないで欲しいとお願いしたんだよ。
そんな経緯があって騎手になるまでが大変だった菱田だが、今考えれば学校で1年足踏みしたことで、騎手になってからの苦労は少なくなったと思う。預けることになった岡田稲男調教師にも菱田のそういう面は詳しく説明していたし、本当に上手く育ててくれたと感謝もしているよ。
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