元教官・蓑田早人の蓑田塾
強引に動かして一変!?
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こんばんは。蓑田です。
皐月賞ではトーセンヴァンノに騎乗する
木幡巧也騎手。皐月賞での勝ち負けは厳しいかもしれないが、日曜日の中山は多くのトップジョッキーが来ている中で、巧也は9鞍に乗っている。これは関係者から信頼されている証拠だろう。
去年の秋に怪我をしてしまって3月にようやく復帰したので今年はまだ1勝だけど、しっかり盛り返してくると思うよ。
これは以前も話したかもしれないけど、私が教えてきた中で美浦デビューになった生徒のうち、「コイツは間違いなく新人賞(=年間30勝以上かつ新人騎手で最多勝)を獲れるだろう」と思ったのが三浦皇成と木幡巧也の2人なんだ。
必ずしも新人賞を獲れる=将来的に超一流になる、という訳ではないが、1年目から大活躍できる生徒というのはある程度分かる。実際、巧也は皇成ほどは勝てなかったけど、美浦の1年目としては十分過ぎる45勝。しかも何度か騎乗停止になったのにこれだけ勝ったからね。
2年目以降に成績が落ち着いてしまったのは、騎乗の荒さが目立ってしまったからだろう。実は巧也は学校で1年留年しているんだが、それも騎乗技術や成績の問題ではない理由だった。馬乗りの上手さは際立っていたし、当時の課長と相談しながら何とか巧也はデビューさせてやりたいと色々やっていたんだよ。
巧也は感性で乗るタイプで、体力があって馬の御し方なんかが特に上手。本人の体力もかなりある。その反面、力任せというか、自分の力だけで馬を動かそうとする面もある。
とはいえこういうタイプの騎手はあまり多くないので、他の騎手が乗っているうちはダメだった馬が、巧也に乗り替わって一変するというパターンは多いと思うんだ。例えば大野とか丹内とか丸田とか、巧也とは真逆の騎手が動かせなかった馬に乗り替わった時なんかは要注意じゃないかな。
日曜日の騎乗馬だと、
2Rの
ムーンワード。この馬は武豊、大野が乗って2戦連続7着で、ブリンカーも着けているように難しい面がある馬なんだと思うけど、巧也が強引に動かすくらいの方が変わるかもしれないよ。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
中山1R | ダ1800m | サンライズアトム | B |
中山2R | ダ1200m | ムーンワード | A |
中山3R | ダ1800m | ヴィオレントアズル | C |
中山4R | 芝2200m | ペルグランデ | C |
中山5R | ダ1800m | ゼニット | C |
中山6R | ダ1200m | ピースフルタイム | B |
中山7R | ダ1800m | セイハロートゥユー | A |
中山10R | ダ1200m | ロードエース | B |
中山11R | 芝2000m | トーセンヴァンノ | C |
先週は美浦の佐々木大輔騎手が初勝利。先日の西塚洸二騎手と同じように、一度乗せてもらって上手くいかなかった馬でもう一度チャンスをもらい、課題を修正して勝利を掴むことができた。
初戦は逃げて行き過ぎてしまったスイートカルデアを、今回は2番手で折り合って、直線でもすぐ先頭に立ってしまいそうなところを追い出しを我慢させていた。最後に差されなかったのはしっかり脚を残すことを意識して乗れていたからだろうね。
土曜日の福島ではせっかく乗せてもらった堀厩舎の馬でコーナーで膨れてしまうところがあったけど、失敗も糧にしながら成長してもらいたい。他の38期生も春のローカル開催があるうちにチャンスを掴めればいいんだが…。
さて、今週は皐月賞。牡馬クラシックは昔とすっかり違って、有力馬それぞれが皐月賞本番まで戦わないのが当たり前になってきた。今年はそれが特に極端で、かなりの大混戦だね。すんなりとは決まらないと思うよ。
イクイノックスは調教だけを見ると重そうで70点くらいに感じるんだけど、具合自体は良さそうなんだ。そして、ルメール騎手も随分自信がありそうだったのが印象的だったね。日本の騎手だったらG1の会見であそこまで強気なことは滅多に言えないよ。
個人的にも、2歳戦が一通り終わった段階では東スポ杯2歳Sを勝ったイクイノックスがこの世代で一番強いと思っていたんだ。まさかそこから直行で皐月賞になるとは思っていなかったけど、当日パドックで太くなかったら素質を信じて買ってみたい1頭だね。
もう1頭期待しているのが田辺とのコンビで臨むアスクビクターモア。弥生賞では2着だったドウデュースの方が今回も人気になりそうだけど、この馬と田辺のレースの上手さが今回も活きてきそうだ。
今回はビーアストニッシドとデシエルトの先行争いと言われているけど、最初から行きたい馬がどれだと分かっている時は、意外とスンナリ隊列が決まってスローになることがある。今年も予想外の馬が絡んでこなければ、ビーアストニッシドとデシエルトが2頭ですぐに折り合ってしまうかもしれない。
そうなると2頭の後ろで好位を取れるアスクビクターモアと田辺がレースをコントロールする立場になる。したたかな騎手だから、こういう混戦を出し抜くのは上手いと思うよ。
キラーアビリティは武史が考え過ぎないことだね。桜花賞なんかはまさに外枠の2頭で牽制し合っているうちに、内で上手く競馬をしたグループにやられてしまったという感じだった。考えて乗ると上手くいかないことの方が多いから、良い馬に乗っている時は素直な競馬をした方がいいね。
あとはダノンベルーガも順調に見えるし、マテンロウレオだってまともに走ればまだ見限れない。ラーグルフにも頑張ってもらいたいし、今回は流石に厳しいだろうという馬は1、2頭しかいないんじゃないかな。
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