元教官・蓑田早人の蓑田塾
弟が刺激となるか
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こんばんは。蓑田です。
今週は今年最初のG1。来週は2月最後の開催ということで調教師の引退があって、もう再来週には38期生の新人騎手がデビューを迎える。
38期生には角田大和騎手の弟、角田大河騎手もいるが、今週はちょうどいい機会なので2年目を迎えた兄、
角田大和騎手について。
ダービージョッキー角田晃一の長男で、ジョッキーベイビーズの優勝経験もあったので、世間的な知名度や注目度はデビュー前から一番だったようだね。教官の立場としては血縁の部分は気にしないようにしてきたが。
デビュー直後は新人たちの中で明らかに馬質に恵まれながら勝ち切れない、ということもあったが、1年目は最終的に20勝。37期生は小沢大仁と永野猛蔵がさらに上の成績を残したけど、新人で20勝なら十分だろう。
ただ、敢えて厳しく言うなら、デビューから1年経ってもあまり変わったところというか、成長したところが見られない。最初からある程度ソツなくやれていたのは確かなんだが。
今の私が直接なんとかできることではないが、今後もっと成長するためには、“良い先輩”を見つけてもらいたいと思っているんだ。先週話した石川裕紀人騎手と横山琉人騎手、もしくは坂井瑠星騎手と古川奈穂騎手のような、騎乗技術や若手騎手としての心構えをアドバイスしてくれる存在だね。
角田大和はちょっと性格的に気になる面があって、あとは父親の厩舎に所属しているという事情もあって、もしかすると近い世代との繋がりが少ないのかもしれない。まあ、今くらい乗れているのにこんなことを言うのは高望みかもしれないけどね。弟のデビューも刺激に頑張ってもらいたい。
日曜日は小倉で8鞍。障害と特別以外の全てのレースに乗っているのは3キロ減らしいところ。
3Rの
ヒヤは減量が利きそうなダート1000m戦で、前走も騎乗していて2着。小倉以外でも乗れる保証はない馬なので、今回で勝たせたいところだろう。
8Rの
ヒットザシーンは関東馬だが、小倉滞在中の3戦は全て角田大和とのコンビ。3着、7着ときての今回だが、こういう馬を勝たせられると先々に繋がっていきそうだね。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
小倉1R | ダ1700m | ショットオブザデイ | B |
小倉2R | 芝2000m | ラティツィア | C |
小倉3R | ダ1000m | ヒヤ | A |
小倉5R | 芝1200m | ワールドブルックス | C |
小倉6R | 芝1800m | コルトレーン | B |
小倉7R | ダ1700m | ハイラブサンケイ | B |
小倉8R | 芝2000m | ヒットザシーン | A |
小倉12R | 芝1200m | メイショウイチヒメ | C |
まず先週の重賞について少しだけ。京都記念の大穴として名前を挙げたアフリカンゴールドと共同通信杯のビーアストニッシドがどちらも逃げ粘る形で好走してくれた。
特に、アフリカンゴールドは単勝12番人気での逃げ切り勝ち。国分恭介で勝ったというのも私にとっては嬉しいところだね。
先週は中日新聞杯組に注目しておきたいということでアフリカンゴールドについて触れたんだが、これで中日新聞杯の後のレースで馬券に絡んだのは6頭目。しかも今回のアフリカンゴールドだけでなく、AJCCで11番人気2着のマイネルファンロンや日経新春杯で9番人気3着のヤシャマル、関門橋Sで6番人気2着のシフルマンと穴馬券を量産しているそうだ。
中日新聞杯の着順や位置取りに関わらず次のレースで走るというのはよく分からないが、極端な展開だったので力を出し切れなかった馬が多いということなのだろうね。小倉大賞典のアイスバブルも走るようならよっぽどだが…。もうしばらく中日新聞杯組が走る時は気に掛けておこうと思うよ。
さて、今週はフェブラリーS。去年の勝ち馬カフェファラオはその後が不振続きで、馬券とは違う意味でも人気者のソダシも課題が多い。ということで混戦模様になっているが、まずはレッドルゼルとアルクトスに注目している。
どちらも昨秋の交流G1を勝ってそれ以来のレースだが、両陣営ともフェブラリーSを勝つために考えた結果のローテ選択だし、昔と違って休み明けというのは何の不利にもならない。去年のフェブラリーSではどちらも馬券に絡めなかったけど、本質的にはこの距離、コースは合っているんじゃないかな。
少し人気のないところで期待しているのが東海S勝ち馬のスワーヴアラミス。1年ほど前に松田大作騎手とのコンビが復活してから3勝を挙げている。
スワーヴアラミスはいわゆる“ズブい馬”と呼ばれることが多いようだけど、その理由は勝負所、3~4コーナーで馬が止めようとするから。馬のことを分かっていない騎手だと余力がないのかと思って諦めてしまうが、その点で松田大作騎手は諦めずに馬を頑張らせる真剣さがある。
東海Sはまるで芝のレースのような差し切り勝ちだったけど、あれは直線に向いてからのアクションで伸びたんじゃなく、4コーナーで馬に止めさせずにスピードを維持させられたから、直線であれだけスムーズに伸びてきたんだと思うよ。そういう馬なので東京の直線は合うかもしれないね。
カフェファラオは気持ちの面だけ。アテにはできないけど勝たれたら仕方ないというところ。ソダシに関しては先週いくつかポイントを話したけど、個人的な結論としては今回は軽視しようかと思う。
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