元教官・蓑田早人の蓑田塾
若手騎手が活躍するためには
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こんばんは。蓑田です。
天皇賞秋にサンレイポケットとのコンビで出走する
鮫島克駿騎手。学校にいた時から活躍するだろうという感触があった子で、実際に新人の年から39勝を挙げている。
その後は意外に勝ち星が伸びなかったが、今年は既に60勝を突破。騎乗技術は昔から高かったし、ようやく技量に見合うだけの馬がしっかり回ってくるようになったということじゃないかな。最近は社台の馬に乗っているところをよく見るね。
騎乗機会の多寡や騎乗馬の質の話になると、兄の鮫島良太騎手のことも思い出す。彼も技術はあるんだが、ちょっと背が高くなってしまったのと、松田国英厩舎に行ったのがね…。
あまり深く触れるつもりはないが、調教師同士の繋がりや仲の良さというのも新人、若手の所属騎手が活躍するためのポイントになるのでね。
その点、克駿が浅見秀一厩舎を預けたのは良かった。元々はちょっとズルっこい面がある子だったので厳しく育ててくれる調教師のところに預けようと浅見先生にお願いしたんだが、浅見先生は栗東でも慕われている人なので「浅見さんのとこの子なら」と、乗り馬を回してくれる他の厩舎が多かった。1年目から39勝というのは、幅広い関係者からのサポートがないとなかなか難しい。
さて、天皇賞秋の
サンレイポケットも新潟のライオンボスを諦めて乗りに来るほどだから、決して可能性がない馬ではない。左回りの2000mは条件としてはピッタリだし、単勝万馬券になるほどではないんじゃないかな。
その他の騎乗馬では4Rの
アーサーテソーロ。美浦の厩舎の新馬に乗るなんて珍しいと思ったが、元々は「テソーロ」の馬主が克駿を積極的に起用していて、その縁で栗田徹厩舎も関西遠征やローカル場で克駿に頼むことが増えたようだ。
ダートコースでの調教で良い動きを見せているし、血統もダート向き。これくらいのメンバーならシッカリ乗れば勝ち負けになるだろう。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
東京1R | ダ1400m | ウルアテソーロ | B |
東京2R | 芝1600m | ネネ | C |
東京4R | ダ1600m | アーサーテソーロ | A |
東京6R | 芝1600m | フィリアーノ | B |
東京10R | ダ1300m | オヌシナニモノ | B |
東京11R | 芝2000m | サンレイポケット | B |
先週の菊花賞を勝ったのは横山武史騎手。思い切った競馬をしたと思うよ。
この勝利の後で思い出したのが、武史が初めてG1に乗ることになった一昨年のダービー。あれは父横山典弘の代打として青葉賞を逃げ切ったリオンリオンに乗ったんだったな。
あの時もスタートから積極的に仕掛けていってハナを切ったが、結果的にはハイペースの大逃げになってボロ負けしてしまった。あのレースでG1、特にダービーに乗ることのプレッシャーを思い知ることになったと思う。
今はすっかり美浦の中心を張る騎手に成長し、色々なG1で有力馬に乗ることが多くなったが、G1でハナを切る競馬をしたのは一昨年のダービー以来だったようだ。
ああいう負け方をした経験があるのに、今回も恐れずスタートから仕掛けて他馬を抑え、先手を取り切った。それだけでも成長を感じるが、結果を出すのだから本当によくやっているよ。
正直に言うと、スタートからあんなに仕掛けていったのを見て、私は「コレじゃダメだろうな」と思ってしまった。実際にはああいう仕掛けをした割には最初の1000mもそれほど速くならず、その後のペース配分もバッチリだったんだな。今回は武史も自分の腕で勝たせたんだと胸を張っていいと思うよ。
これで今年は皐月賞と菊花賞を勝ち、ダービーも2着。一流になるのは間違いないと思っていた騎手だが、美浦はちょうどベテランたちが次々と調教師への転身を考えたりする時期でもあり、すぐにでも横山武史の時代が来てしまうかもしれないな。
今週の天皇賞・秋では菊花賞をパスして東京での古馬との対決を選んだエフフォーリアに騎乗。グランアレグリア、コントレイルとともに三強対決として盛り上がっている。
コントレイルは昨年のジャパンカップから体調が整っていない印象があった。しっかり立て直しての復帰戦になるが、出来ればパドックの気配までちゃんと確認して最終的なジャッジをしたい。
グランアレグリアについては、個人的な印象になるが、なぜかルメールほどの騎手がグランアレグリアに乗った時だけヘグっていることが多いように感じているんだ。
見た目以上に難しい馬なのか、極端な競馬をさせることも多いし、立ち回りで失敗したレースもあったと思う。それでここまでの成績を残しているのだから本当に能力は高いんだろうけどね。
エフフォーリアも課題が全くないとは言えないが、コントレイル、グランアレグリアも決して隙が全く無い訳ではない。三強対決、最後は騎手の腕で僅かな差を分けることになりそうだ。つまらない不利などなく、見ごたえのあるレースを見せてもらいたい。
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