元教官・蓑田早人の蓑田塾
勝負師としての成長を感じる夏
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こんばんは。蓑田です。
先週の函館メイン大沼Sを勝ち、今週はCBC賞でヨシノイースターに騎乗する
富田暁騎手。
今年は半年が経過したところで勝利数も勝率も過去最高ペース。CBC賞を勝てば重賞初勝利になるけど、そろそろ勝って不思議のない立場になってきたんじゃないかな。
富田については結構前に武英智調教師との関わりを話したことがあったと思うけど、今週も土曜函館メインのTVh杯で武英智厩舎のカフジテトラゴンに乗って3着と好走していた。
日曜日の中京では所属する木原一良厩舎が多く馬を用意してくれていて、成績が伸びているだけあって周りとの関係は良好のようだね。
富田は一度高校に入ってから競馬学校を受験してきた子だった。それに2度目の受験で合格したので、33期生の中で一人だけ2歳上なんだ。高校は結構な進学校だったんじゃないかな。
ただ、そういう経歴なだけあって、賢くて大人びた子でね。私が教えてきた生徒たちの中では“優等生”という意味では三本の指に入るくらいだった。33期生の中でも、年上だからと威張ることはなく、それでいて責任感を持って周りに目を掛けられる子だったよ。
そういうところが競馬では優し過ぎる面に繋がってしまっていて、これまでも大事なところで勝負に行けない、勝ち切れないという面があったんだけど、今年は成績の通り、勝負師として良い競馬が出来ていると思うよ。
ちなみに、高校まではサッカーをずっとやっていたけど、私があるとき「お前はサッカーでも自分で全然シュートを打たないだろう」と聞いたら、「その通りです。アシストばっかりでした」と言われたよ。やっぱりそういう性格なんだ。騎手になったら自分の力で勝たないといけないから、そういう姿勢ではダメだと心配していたんだけどね。
日曜日はCBC賞の
ヨシノイースターも十分にチャンスがある1頭だと思うけど、6Rの
マルモルミエールは木原厩舎の有力馬、8Rの
ヴァンダービルトは長期休養明けの2戦目で楽しみがある。キャリアハイ更新、年間50勝を目指して7月からも頑張ってもらいたい。
日曜の騎乗一覧と評価
レース | 条件 | 馬名 | 評価 |
中京2R | ダ1900m | エーティータキオン | B |
中京3R | ダ1400m | カンノーリ | B |
中京6R | ダ1800m | マルモルミエール | A |
中京7R | 芝1600m | ダイシンビヨンド | B |
中京8R | 芝1200m | ヴァンダービルト | A |
中京10R | ダ1800m | ラニカイ | B |
中京11R | 芝1200m | ヨシノイースター | A |
中京12R | ダ1200m | ダノンセシボン | B |
先週の宝塚記念はイクイノックスの勝利。ドバイで逃げた後だったのでどういう競馬になるか注目していたが、スタートで寄られて下げる形に。あの競馬でも平然と勝ってしまうのだから、本当に強い。
そして、2着のスルーセブンシーズも直線でのロスを考えたら惜しい競馬だった。スムーズに追い出せていたらあわやの場面があったかもしれないね。
これで宝塚記念は関東馬のワンツー。上半期のG1は関東馬が勝ち越したのかな。私が騎手になった頃は、ちょうど西高東低の勢力図に移り変わっていく時期だった。
よく栗東トレセンや坂路が関西馬のレベルを押し上げたと言われているが、実際にはもっと様々な要因があった。詳しいことは言わないが、あの頃は関東の厩舎に驕りがあったというかね…。
結局は、トレセンや坂路といった設備以前に、良い馬が関西に流れるようになったのが最もシンプルな西高東低の理由だよ。
さて、今週はラジオNIKKEI賞とCBC賞。夏競馬が本格的に始まって、しばらく日曜日にG3という番組編成が続く。
ラジオNIKKEI賞はレーベンスティールが強そうだ。あとはウヴァロヴァイト、バルサムノート、オメガリッチマン。スイートピーSでウヴァロヴァイトと差がなかったアグラシアドも面白い。
グラニットは嶋田純次騎手のお手馬で私も毎回応援しているが、今回は捕まりそうな気がするね。小回りの1800mという条件は良いけど、その分だけ他馬の追い上げも早くなる。近走は伏兵扱いだったけど、ここに入るとマークされる存在になりそうだからね。
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