うまスクエア

第97回［2012年4月27日］　最新号は毎週金・土曜日の20時にメルマガ配信。

【ジョッキー情報局】「平成の鉄人」こと、蛯名騎手に注目

【美浦の『聞き屋』の囁き】
●ジョッキー情報局●

復帰早々に土・日の両メインレースを含む５勝を上げた「平成の鉄人」こと、蛯名騎手。今週も有力馬が多数。

その中でも、青葉賞のフェノーメノには気合が入っているようだ。京成杯を制して皐月賞へ挑むつもりだったベストディールだが、体調が整わずに自重。厩舎で調整しプリンシパルＳを使ってダービーへ向かう予定も、やはり体調が思わしくないということで放牧。

ベストディールのダービー回避が正式に決まり、今のところ蛯名騎手はダービーでの騎乗予定馬が空欄の状態なので、この青葉賞はなんとしても２着は死守したいところ。

また当初、フェノーメノはデビューから手綱を取っている岩田騎手とのコンビで青葉賞に挑む予定だったが、岩田騎手には同じ馬主になるサンデーレーシングのディープブリランテがお手馬としているため、仮に青葉賞で権利を取ってもダービーでは乗ることはできないという状況だった。

ただ、岩田騎手サイドからすれば、ディープブリランテがこのまま順調にダービーを迎えることができれば問題はないが、生き物だけになにがあるか分からないので、保険としてキープは欲しいところだったはず。

逆に、蛯名騎手サイドからすれば、ダービーで騎乗するために、チャンスの大きい馬を選んで、そして岩田騎手からある意味「強奪」したと見ることができる。１８頭という、狭き門の戦いは場外でも激しさを増すばかりだ。


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【関西事情通のちょっとイイ？話】

●乗れずに悔しいのはアノ馬!?●

昨年末にはニホンピロアワーズで交流重賞を制し、年末最後のレースもサンダルフォンで制し、年間36勝とデビューしてから最も勝ち鞍を挙げ、年が明けてからも開催11日間で6勝と好調だった酒井学騎手、しかし2月11日の小倉第9Rで落馬負傷、JRA発表によると左肩甲骨骨折、左肩鎖関節脱臼の重症を負った。聞くところによると、靭帯がのびて、しかも普通は折れない箇所が折れたそうで、復帰には時間が掛かっていた。それでも最近はちょくちょく栗東トレセンに訪れている様に漸く復帰のメドもたった様だ。「あのイチローをはじめ、日本のスポーツ選手御用達の鳥取のトレーニングジムに行って調整し、帰ってきたらすぐ調教に乗って、多分あと2週間くらいで復帰できる」との事。「5月18日の週には復帰したい」とメドを立てているそうだ。

そんな酒井学騎手、主戦だったニホンピロアワーズをはじめ、所属の西園厩舎でもコスモセンサー辺りなども廻ってきていた可能性があり、仕方が無いにしても「もったいない」戦線離脱となってしまったのだが、「本当にもったいない」と悔しがっていたのは、なんと今週青葉賞に出走するタムロトップステイらしい。

2月の小倉新馬戦で勝ち、先日北村友一騎手で2勝目を挙げたばかりのこの馬。しかし酒井学騎手の感触は相当なモノで「デビュー戦はケイコの感じから負けない自信があったんです。結果も勝ちましたが、まだ遊びながらは走っていました。相手が来るとまた伸びる感じでした」と絶賛していた。

2戦目はマウントシャスタの決め手に屈したが、前走はシブとい走りで勝利。跨ってきた北村友一騎手も「着差は僅かでしたが、まだ遊んで走っている様な感じで余力がありました」と、酒井学騎手と同じ様な事を言っていた。「距離の融通性もあるし、まだ奥がある。権利を取ってもおかしくない」と今回も好感触。揉まれる競馬をしていないのでその点に課題はあるが「競馬に行けばリラックスして走れる馬ですし2着までに入っていざダービーへ」と力は入っている。
「権利を取ったらさすがに友一を乗せなきゃならないだろうな…」と悲しそうに酒井学騎手は残念がっていた。そんなタムロトップステイ、果たしてダービーの出走権利を取るのか!?注目してみたい!!


●普通は考えられないモノが敗因!?●

昨夏以来の出走となった2月の小倉で、太めの体ながら勝ち、昇級戦の千里山特別も連勝、完全に本格化気配で前走の名古屋城ステークスでも期待されていたジェントルマン。道中内々を手応え抜群で4コーナーを回り、坂を上がって勢いもつき「差し切り勝ちか」と思われたところで一瞬伸びを欠いてしまった。そこを内からトウカイパラダイスに差され、終い再び伸びて差を詰めるも2着と敗れてしまった。

「抜け出しかけてソラを使ったのか…」と思われたが、なんとレース後の浜中騎手の話では「勢いがついたところで、コンビニか何かのビニール袋がフワフワ飛んで来て…それで一瞬勢いが止まってしまったんです」と驚きのコメントだった。

勝負は時の運だが、無ければ勝っていただろう。今回は改めて仕切り直しの一戦、そういう運の無い敗戦をした後だけにスッキリと勝ちたいところだろう。