採れたて!トレセン情報

第1160回

採れたて!トレセン情報

関西事情通のちょっとイイ?話
マーチステークス(G3)
名手がG1裏の中山で騎乗する理由

いよいよ今週末から春のGIシーズンが開幕する!

その第一弾は、2000年にこの季節に移設されてから20年余り、春競馬のトップシーズンの訪れを告げるGIとしてすっかり定着した高松宮記念。今年も電撃の6ハロン戦が繰り広げられる。

一方、2001年以降、東日本大震災の年と、中山開催が雪のため中止となった昨年を除き、その高松宮記念と同日に開催されてきたマーチステークスも、高松宮記念同日の裏の重賞として恒例となった。

中央開催の中山で行われる重賞だが、やはりGIの裏というポジションなゆえに、例年トップジョッキーは中京に集まってしまうところ。

しかし…

今年はリーディングトップのルメールが中山へ参戦している。

昨年の最優秀短距離馬であるグランアレグリアが今年は大阪杯に路線変更することもあるだろうが、早々に決まっていたので、ルメールならば乗ろうと思えば乗れたはず。

しかし中山を選択したのは、最終的にノーザンF関係馬で有力馬の参戦が無かったこともあるにはあるが、やはりアメリカンシードの存在が大きい。

アメリカンシードのオーナー吉澤克己氏は、マスターフェンサーで米国3冠レースに自費で挑戦した事でも知られている。

米国のビッグレースで勝つ事を目標にしているオーナー。このアメリカンシードは、その米国の牧場を巡り自らで探し当てた原石。

ダートに路線変更してから全てワンサイドゲームで3連勝しオープン入りを果たし、米国の大舞台への挑戦も少しずつ現実に近づいて来ている。

実は、マスターフェンサーが米国3冠に挑戦する時にもルメールに打診があった。しかし、さすがに自分が乗っていた馬でもなかったこと、そして、同じ週末の日本のGIで有力馬の騎乗があったため、辞退したという経緯がある。

このアメリカンシードは2走前から手綱を取り、そしてキャリアも浅くまだまだ奥を感じさせる馬、米国遠征も含み魅力がある。GI高松宮記念での騎乗と天秤にかけても、こちらに乗る価値は大きいのだろう。

先週、武豊騎手が負傷しノーザンF関連馬で有力候補のレシステンシアの鞍上が空白になり、当然ルメールにオファーが行ったそうだ。

さすがに前週という事もあり先約優先となったようだが、普通にスイッチして不思議ない状況、やはりアメリカンシードにも期待している証だろう。

先の夢に繋げる一戦、どんな競馬を魅せてくれるのか、楽しみでならない。


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