うまスクエア

第91回［2012年4月6日］　最新号は毎週金・土曜日の20時にメルマガ配信。

【福島競馬】後藤ＤＡＹになるかもしれない

【美浦の『聞き屋』の囁き】
●ジョッキー情報局●

今週からいよいよ福島競馬が再開される。「福島復興祈念競馬」そして「明日への一完歩。」と題して行われる。ＪＲＡ、また関東騎手クラブでも多くのチャリティーイベントを行ってきた中で、その先頭に立っていたのが後藤騎手だろう。

今週も本来なら中山で行われる土曜日のニュージーランドＴや、日曜日の春雷Ｓなどで多くの有力馬に騎乗していたはずだが、彼の名前は福島にある。

どうしてかというと、「自分（後藤騎手本人）が率先してファンの方々に募金やオークションなどで協力を呼び掛けてきた。そんな僕が福島競馬が再開される大事な時に、福島で騎乗していないことは多くのファンに失礼になる。勢いのある若い騎手に負けないように、また見て喜んでもらえるように、競馬を通して元気を与えることができれば嬉しい」と話してくれた。

有力馬に多く騎乗しており、今週の福島は後藤ＤＡＹになるかもしれない。ちなみに、福島開催３週目の土曜日に行われる福島牝馬Ｓにはアニメイトバイオで参戦を予定。


----------------------------------------------------------------------

【関西事情通のちょっとイイ？話】

●義理と温情に応えたい！●

今週から福島競馬が再開する。待望の再開ではあるが栗東から一番遠い（移動時間が長い）競馬場で、その遠さは、飛行機なら約４時間、新幹線なら約６時間も掛かるほど。よって小倉や新潟に比べると関西から遠征する騎手は少ない。

そんな中で若手藤岡康太騎手は、土日とも福島に参戦する。実は彼、これまでに何度も肺気胸を繰り返し休養を余儀なくされてきた。今は大丈夫なのだが、なるべく気にならない様に、長距離移動には飛行機ではなく万全を期して新幹線を使っている。ゆえに、福島遠征は他の騎手よりも「遠い」遠征になる。さらに、今週本来は阪神を主戦場に番組を組んでいた。それでも福島で乗るワケは…

土曜メインの福島民放杯で手綱を取るダノンスパシーバは、前走の中日新聞杯で急きょの代打で乗せてもらった一頭。その前走時、最終追い切りにも乗って「凄く能力の高い馬ですし、ローカル重賞なら勝ち負けできる」と手応えを掴んでいた。その乗せて貰った前走で感触を掴んだことと、改めて騎乗依頼を頂いたこともあり、この馬のために福島遠征を決めた。「マイルくらいで切れ味を生かす競馬がベストかも知れませんが、2000mでも実績はありますし時計もあります。重賞レベルでも戦える馬ですしココは決めたいですね」と、続けて騎乗依頼を頂いた義理に応えべく、また今後お手馬とするためにも結果を残したい様子。

実は彼の福島遠征には続きがある。本当なら土曜日一日で福島を発ち、日曜日は阪神で騎乗を予定していたのだが、日曜日メインの吾妻湖富士賞でルアーズストリートが使う事になりお声が掛かった。前走が自分の不注意で降着、迷惑を掛けているだけに「乗せてもらえるのは本当に有難いことです」と、その温情に応えたい意志が伝わってきた。日曜日も福島での騎乗を決めたのはもちろんこの経緯があったからこそ。土日福島で騎乗する西の若手藤岡康太騎手、今週は彼から目が離せない。


●桜の囁き!?●
今週は桜花賞ウイーク、阪神競馬場の桜も満開だろう。そんな阪神開催、土曜日にも重賞が組まれている。やはり牝馬限定の阪神牝馬Ｓ。このレースに出走するとある馬に関わる気になる囁きがあった。

「オウケンサクラは人気になるの？」とある記者が音無調教師に囁かれたそうだ。聞けば「今、メチャクチャ体調がイイ」との事。確かに、今週の追い切りは馬場が重く無理をしていなかったが、先週の金曜日にもの凄い動きを見せている。この日も重い馬場だった栗東坂路、そんな中で半マイルはエラーも終い２ハロンで24秒台12秒台とせ出色の動きを見せていた。

「今の坂路であれだけ動けるということが短距離馬かも」とも話していたそういだ。中距離戦を中心に使われており、マイル未満のレースは今回が初めて。１昨年の桜花賞２着、その年の天皇賞秋ではブエナビスタ・ペルーサ・アーネストリーに次ぐ４着の実績。最近の成績から「終わったか…」と思われていたが、新たな一面を見せてくれる可能性もありそうだ。そんな「囁き」だった。