うまスクエア

第83回［2012年3月9日］

繰り上げ勝利狙い作戦

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●予定繰り上げ大作戦●

先週から開幕した中京競馬に多くの関東馬が参戦している。当然、勝利を意識して遠征していく馬が増える。そうなるとなにが変わるかというと、中山競馬での全体的なレベルが下がることと出走頭数が減る。

２場開催（中山と阪神のみでローカルはない場合）では未勝利戦に前走掲示板に載っていた馬が５～８頭（その内前走で馬券に絡んでいた馬が半数）ほどいるものだが、例えば土曜日２レースのように前走で掲示板に載った馬は４頭だけで、２着が１頭、５着が３頭と明らかに低調なメンバー構成だと分かる場合がかなり増える。これが水曜日の予定の段階ではさらに顕著で、前走で掲示板に載った馬が１頭、しかもフルゲートを大きく割る少頭数という場合が意外にある。

そこで多くの陣営が考えることは同じで、翌週予定している馬を急きょ繰り上げて出走させてしまう、といったパターンは少なくない。もちろんこの作戦が功を奏して勝利する場合もあれば裏目に出て惨敗してしまうことも多々ある。

今週もこのパターンで出走してくる馬が多くいる。中でも人気を集めるところでは、最終レースのヒショウ。本来の予定では翌週の中京競馬のダート１４００ｍを予定しており騎手もすでに確保していたが、この最終レースが手薄と判断して予定を繰り上げてきた。

日曜日では１レースのスフィンクス、３レースのミルテなども翌週の予定だったが、このメンバーなら勝ち負けになるとの判断で出走することに。もう１頭は７レースの良血期待馬スピルバーグ。当初の予定では翌週の阪神で行われる若葉Ｓだったが、この７レースが水曜日の予定の段階で６頭しかいなかったことと手薄との判断で出走することに。今週とくに多かった「繰り上げ勝利狙い作戦」が吉と出るか凶と出るか。