第1071回
採れたて!トレセン情報
関西事情通のちょっとイイ?話
誰にも渡さない!関西トップジョッキーが
わざわざ東京に乗りに来る重賞級の素質馬
今週はいよいよ菊花賞。先週の牝馬三冠に続き、牡馬も無敗の三冠馬誕生に期待は高まっている。
そんな緊張感ある今週末、土曜日には関東圏の東京と新潟で重賞が行われる。
やはり重賞という事で、関西所属のジョッキーの遠征も見られる。
新潟には普段は中央開催で騎乗している藤岡佑介騎手が遠征、そして東京にはお馴染みのルメール・ミルコの外国人騎手2人をはじめ、日曜日には大役が待っている福永騎手と、その菊花賞では2番手筆頭格の池添騎手が、メインの富士ステークスに騎乗するために遠征する。
この4人は重賞に騎乗しているので必然の遠征だが、他にも東京遠征しているジョッキーがいる。
まず
北村友一騎手。先週の土曜日にも東京遠征し見事重賞制覇、今週も土曜日は東京に登場する。
メインの富士ステークスに騎乗馬はいないが、遠征の目的は2歳オープンの
アイビーステークスに出走する
ラーゴムに騎乗するため。
新馬戦の勝ち方に、内容や時計にそこまでインパクトはなかったものの、手綱を取った鞍上には感じるモノがあったようだ。
管理するのはクロノジェネシスと同じ斉藤崇史厩舎、もちろん注目の存在。
実はこのアイビーステークスには、夏の新潟の2歳未勝利戦でレコード勝ちの圧勝をしたワンダフルタウンも出走を予定していた。鞍上はデビューから手綱を取っている
和田騎手の予定だった。
2着を8馬身も千切るインパクトある勝利だったが、和田騎手も手応えを掴んでいたようで、富士ステークスに騎乗馬が無くても、この馬のために東京で騎乗予定を組んでいた。
しかし、そのお目当てのワンダフルタウンは調整がやや遅れた様で回避となってしまった。
重賞での騎乗馬は無くお目当ての馬も回避、騎乗依頼の多いリーディング上位の人気騎手なだけに、ここで京都での騎乗に切り替える選択もできた。
しかし和田騎手は東京で騎乗する事を選択した。その理由は…
もう一頭、どうしても乗りたい馬がいた。最終レースに出走する
タガノビューティーだ。
ユニコーンステークスまで主戦を務めていた馬。そのユニコーンステークスでは、勝ってケンタッキーダービーに参戦したいという話も出ていたほど期待の一戦だった。ただ結果は13着と大敗。しかし、この馬が普通の状況でそんな大敗をするわけがなく、やはり明確な敗因があった。
そう、スタートして2F辺りで落馬しそうになるほど大きく躓き、レースが終わって確認すると結構な外傷を負っていたのだ。
和田騎手は、その不完全燃焼で終わったユニコーンステークス以来の騎乗、そういう思いもあって、この馬のために東京で騎乗する事を選択したということだ。
この2戦はコーナー4つの競馬で惜しいレースが続いているが、今回はワンターンで実績もある東京ダート1600mの舞台。
この馬を良く知る和田騎手が鞍上なら、好結果が期待できるだろう。注目してみたい。