うまスクエア

第998回

採れたて！トレセン情報

例年なら今週から夏の小倉が開幕するところだが、開催予定だったオリンピック期間中の３週間は小倉が開催されず本場開催は新潟のみ、今週の重賞も新潟のアイビスサマーダッシュの１鞍のみとなっている。

直線1000ｍ、通称千直という特殊な舞台で行われる重賞、ゆえに適性がはっき分かれるコースでもある。

昨年の覇者で、今年も１番人気濃厚のライオンボスも、この千直は５戦して４勝２着１回と好成績を上げているものの、1200ｍでは全く勝ち負けには加われていない。その特殊コースがゆえに結果もはっきり分かる傾向がある。

ゆえに、ライオンボスは当然注目となる。

鞍上の鮫島克駿騎手、昨年も騎乗予定だったのだが、前日の小倉で落馬負傷、残念ながら乗り替わりとなってしまった。

結果、代打を務めた田辺騎手が見事勝利に導き優勝。鮫島克駿騎手にとっては悔しい記憶となってしまったが、復帰してからはまたライオンボスの手綱を任され、今年再び、１年越しでこのレースに挑む。

再びチャンスを与えてくれている関係者への感謝の意も込め、そして自らのリベンジも含め、ここは期するところがあるようだ。

ただ、力が入っているのは鮫島克駿騎手ばかりではない。

前走の韋駄天Ｓで、ライオンボスに敗れはしたものの、やはり千直適性の高さを見せているジョーカナチャンの鞍上・菱田騎手もそんな一人。

彼の主戦場は北海道シリーズ、ゆえに今回はこの馬のために新潟へピンポイント遠征という形。しかも、札幌で騎乗していれば少なくとも複数頭は騎乗できるところ、日曜新潟での乗鞍はこの馬１頭のみ。まさに一頭入魂の騎乗となる。

それはもちろん、この馬ににそれだけの可能性を感じていること、そして勝てていないにも関わらずチャンスを与えてくれている関係者への感謝の気持ちもある。

ゆえに、結果を出したいという思いは強い。

この馬の千直成績は４戦２勝２着１回、唯一大敗のルミエールオータムダッシュは、骨折休養明けの一戦で仕方ないところもあった。

前走ライオンボスに敗れ、斤量差も縮まるが、前走の道中の手応えはこの馬の方が良く、そして休み明けを１回使った上積みもあり、逆転できる算段はある。

ライオンボスと鮫島克駿騎手はもちろん注目だが、ジョーカナチャンと菱田騎手にも、同等に注目してみたい。