採れたて!トレセン情報

第584回&第585回

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【関西事情通のちょっとイイ?話】

●今最も勢いのあるジョッキー●

有馬記念まで7週連続GIに突入、今週は牝馬のGIエリザベス女王杯が行われる。

例年なら、3歳のトップクラスも参戦し、春のヴィクトリアマイルとは違い、3歳・古馬の統一女王決定戦という位置にあるこのレースだが、今年は3歳の筆頭格でオークス馬のシンハライト、そして桜花賞馬ジュエラー、その2頭と凌ぎを削ったGI2勝馬メジャーエンブレム、さらには秋華賞馬ヴィブロスも出走せず、3歳勢のトップクラスは皆無、一応秋華賞2着で勢いのあるパールコードと重賞勝ちのあるデンコウアンジュが参戦するものの、例年に比べればかなり薄く映る。ならばやはり古馬勢が優勢と言うところだろう。

その古馬勢も踏まえ、このレースはジョッキーの動きにも注目するものがあった。

ことの始まりは、主戦だったルメールで出走予定だったタッチングスピーチが急遽ムーアに乗り替ったこと。このことにより一旦はルメールの騎乗予定馬が宙に浮くことに。一方、同じ外国人騎手のミルコはクイーンズリングで府中牝馬Sを勝ち、お手馬ジュエラーとどちらに乗るかの選択に。選んだのはジュエラー、そして空いたクイーンズリングの鞍上にはルメールが収まった。ところが、その後ジュエラーの回避が決定、一旦は決まりかけていたクイーンズリングの鞍上には再びミルコがスライド、押し出される様にルメールが空き、藤岡康太で出走を予定していたシングウィズジョイの鞍上がスライドし漸く収まった。

先週、東京競馬場でワンデー・エイト(1日8勝)の武豊に並ぶタイ記録と、騎乗機会10連続連対の新記録を達成した、今や日本?を代表するジョッキーであるルメール、そんなジョッキーでさえ振り回される今のご時勢には驚かされる。

しかし、果たしてルメールは貧乏くじを引いているのだろうか?

シングウィズジョイはミッキークイーンやタッチングスピーチと並ぶ、このレースで最も層の厚い4歳世代、そしてこの馬自身重賞2勝の実績はある。さらにこの中間は、2週前は藤岡康太、先週は荻野琢真と毎週ジョッキーを乗せ意欲的に調教され、最終追い切りの今週は真打ちであるルメールが騎乗、まさに目イチの仕上げが施されている。

もつれにもつれたルメールの騎乗馬、しかし今最も勢いのあるジョッキーであることには間違いない。「終わってみれば…」そんな雰囲気を感じずにはいられない!


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●近年はあまり荒れない福島記念●

秋の福島競馬を締めくくる重賞だった福島記念だが、今年は例年よりも1週間早く行われる。

過去に比べれば近年は1番人気の連対や、ハンデトップの連対も以前よりも断然いい。

そのため人気馬同士で決まることが多く、年々荒れない重賞となってきているわけだ。

今年の中心は3歳馬でトップハンデのゼーヴィント。

実はゼーヴィントの鞍上はシュタルケ騎手に決まるまでに、多くのリーディング上位騎手へと打診があったとのこと。ただ、リーディング上位陣はエリザベス女王杯での騎乗や東京でのお手馬たちの勝利を優先しての福島遠征キャンセルなどいろいろな理由があり、紆余曲折を経てたどり着いたのがシュタルケ騎手だったというわけだ。

また、怪我からの復帰後、騎乗数を制限していた北村宏騎手が今週からフル稼働。

福島で9鞍に騎乗してメインはお得意様の馬主、ダイワリベラルでの参戦。

あまりローカルへと乗りにいくタイプの騎手ではないだけにオーナー希望もあるだろうが、勝負になると踏んでいることは間違いないだろう。

先行馬が多く揃っているだけにハイペースは必至。そのまま速い時計での決着となるのか、差しが決まる展開となるのか。荒れるかもしれない福島記念にふさわしい難解さだ。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●主戦が乗らなくても注目!●

JRAGI狭間の週が過ぎ、今週からは年末有馬記念まで7週連続のGIウイークに突入する。今週は牝馬限定のGIエリザベス女王杯だが、その前日の土曜日にも東西で注目重賞が行われる。

東京では、この後12月のチャンピオンズC、そして来年2月のフェブラリーSを占う武蔵野S、京都では暮れの2歳GIを占うデイリー杯2歳S、ともにGI並に目が離せないレースとなりそうだ。

そんな注目重賞で最も注目なのは…

もちろん主役は馬なのだが、この2鞍についてはジョッキーの注目度合いも非常に高い。中でも川田騎手、この両レースに前走手綱を取った馬が多く出走しており、その動向は注目されていた。

川田騎手と言えば、全国リーディング4位ながら、競馬学校卒業のJRA生え抜きジョッキーの中ではトップ、今年は日本ダービーも制し、これからの競馬界を背負って立つ存在。そんなトップジョッキーが、前走手綱を取った馬が多く出走する中で、最終的に騎乗しているのはデイリー杯2歳Sのタイセイスターリー、この馬にはそれだけの可能性を感じている様だ。

このレースには、新馬戦で手綱を取り勝利しているリナーテも出走。ただ牝馬でもあり、先週のファンタジーSを完勝したミスエルテとの兼ね合いもあるのだろう。ここまでの話では、最終的に選んだタイセイスターリーだけが注目となるのだが、実は東京武蔵野Sにも注目すべき馬がいる。それは、やはり新馬戦手綱を取ってきたお手馬ゴールドドリームだ。

結果的にタイセイスターリーに乗るため騎乗できないが、代打騎乗するのがミルコ・デムーロ騎手、ここに川田騎手サイドの「手放したくない」という思いが隠されている。というのは、JRAのHPにもある通り、先日からミルコのエージェントは川田騎手と同じ井上氏になっている。そう、同じエージェントだからこそ、戻そうと思えば戻せる可能性があり、またそのままミルコでもOK。これが他のジョッキーの手に渡ると、もし勝たれてしまうと戻って来る可能性は低くなる。そう、ここで「勝つ可能性が高い」と睨んでいる証でもある。

こういうケースは今後もあると思うが、まずはこの土曜の両重賞、ミルコ・川田両騎手の騎乗馬、そしてその騎乗振りに注目だろう!


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●デビュー6年目でのチャンス!?●

フルゲート割れの15頭立て、GⅠ馬3頭だけのやや物足りない感が否めない今年のエリザベス女王杯。

中心は今年の宝塚記念を制したマリアライトで、続くのが昨年の2冠牝馬ミッキークイーンと前哨戦を制して勢いに乗るクイーンズリングあたりだろう。

他にも勢いのある3歳馬など伏兵陣も多彩だが、今回注目したいのは大穴候補になるプロレタリアト。

もっと言えばプロレタリアト以上に注目したいのが騎乗する杉原騎手だ。

杉原騎手は名門藤沢和厩舎所属の今年6年目となる若武者。

減量の恩恵が受けられる3年目以降の成績は右肩下がり。

しかも、今春の改革で減量騎手の特典期間が3年から5年に延びたわけだが、デビュー6年目となる杉原騎手は減量が復活しない直前の世代ということになり、自分よりも若手に減量が復活しており、より立場が厳しいものとなった。

そんな中、数少ないお手馬だったプロレタリアトで掴んだのが前走の準オープン勝ち。

京都への遠征で騎乗したのはプロレタリアト、1頭だけ。

9番人気という低評価に反発しての差し切り勝ちで賞金を加算。初の重賞挑戦がGⅠとなった。

リーディング順位で騎乗馬の質が決まってしまうことが多く、GⅠもいつも同じ顔触ればかり。

勝負の世界である以上、当然の原理ではあるが、それだけではあまりに味気ないのも確か。

細い糸を手繰り寄せるような数少ないチャンスしか巡ってこない現状ではあるが、それを生かせたものだけが上へと昇っていくのも勝負の世界。

勝つことは難しいかもしれないが、なにか爪痕を残すような、そんな競馬を若手には期待したい。


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