採れたて!トレセン情報

第580回&第581回

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【美浦の『聞き屋』の囁き】

●天皇賞について●

2週間前の特別登録の段階でフルゲート割れの15頭だった今年の天皇賞・秋。

キタサンブラックやゴールドアクターなど、主役候補が前哨戦を使ったあと早々にジャパンカップから有馬記念という路線を表明したことも影響しているが、やはりGⅠでフルゲート割れは少々寂しい気がする。

今年の中心はムーア騎手が騎乗するモーリス。

2戦続けての2着で札幌記念での敗戦が距離なのかどうか、敗因として掴みにくいところはある。

が、そこはムーア騎手なら神騎乗で応えてくれるだろうと支持を集めることは間違いない。

それ以外で注目したいのは、まずはルージュバック。

3歳春のきさらぎ賞以来となる勝利を挙げたエプソムC、そして毎日王冠とGⅢ→GⅡと2連勝。

ともに持ち味である瞬発力を最大限に生かして、メンバー最速の上がり3Fを計時して本格化を示す勝ちっぷり。

そのルージュバックだが、近走はほぼすべてのレースで10日から14日以内に牧場からトレセンへ戻ってきてすぐに競馬。レース後はすぐに牧場へと戻ることが通常パターンとなっている。

今回も例に漏れず20日木曜日に牧場からトレセンへ。

いつもどおりの調整でブエナビスタ以来となる牝馬での勝利を目指す。

ただ、関東から勝ち馬が出ることは嬉しいことではあるが、GⅠを目指すような馬が放牧から戻って2週間前後の競馬で勝つようなことがあると、このパターンでの出走が増えて現在の内厩制度ではなく、実質的に外厩制度が増えていく可能性が高くなり、そうなることは多くの関係者が望んでいないので複雑という声が非常に多い。勝ってほしいが、勝つと弊害もある。ルージュバックの結果は今後の競馬に影響を与えそうだ。


他ではアンビシャスとヒストリカルについて。

もともとアンビシャスは毎日王冠でルメール騎手ではなく横山典騎手で、ヒストリカルはオープン特別のアイルランドTで田中勝騎手の予定だったとのこと。

ところが、オーナー希望で毎日王冠では横山典騎手ではなくルメール騎手へ乗り替わり。

そこで厩舎サイドがそれでは横山典騎手に申し訳ないということで、ヒストリカルの予定を繰り上げて横山典騎手へ騎乗を依頼。

毎日王冠の結果はアンビシャスが2着、ヒストリカルが3着と上々の滑り出し。

ただ、ルメール騎手にはもともと天皇賞での先約としてラブリーデイがスタンバイ。

そこで、元さや?という表現でいいのかどうかは微妙なところではあるが、アンビシャスに横山典騎手、ヒストリカルに田中勝騎手と収まることとなった。

それならばわざわざルメール騎手を挟まずに横山典騎手と田中勝騎手で前哨戦も戦えば良かったところだが、それは現在の競馬らしく、いいと思える騎手が空いているなら‘流れ‘は関係ないといった感じか。

ルメール騎手に先約がいたからという理由ではあるが、結果的に横山典騎手と田中勝騎手は天皇賞で騎乗できることになり、ただ二人の心中を察すれば‘ルメール騎手には負けられない、もしくはそれ以上の騎乗を見せる‘といったところではないだろうか。

毎日王冠の結果を振り返ればアンビシャス、ヒストリカルともにチャンスはあるはず。

ベテラン二人がどういった手綱捌きを見せるのか、是非注目してほしい。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●人気はないが…●

先週の菊花賞で取り上げたサトノダイヤモンド。オーナーは悲願のGI制覇を成し遂げた里見氏、管理するのは池江泰寿師、見事なレースだった。

今週の天皇賞・秋にも、里見オーナーはサトノクラウンとサトノノブレス、そして池江泰寿師もラヴリーデイとサトノノブレスの、ともに2頭を出走させている。

サトノクラウンは、3歳時は同僚ドゥラメンテとともにクラシック戦線を賑わせ、皐月賞では1番人気にまで推された素質馬。そしてラブリーデイも、成績的に昨年ほどの勢いは無くとも、陣営としては「今年は緩い馬場など天気に泣かされた」という認識で、年齢的なものでパフォーマンスを落としているワケでは無い雰囲気。ベストの2000mで巻き返しを目論んでいる。但し大外枠は大きなマイナス。

この両頭、その実績的に恐らく穴人気にはなるだろう。逆に、全く人気は無いと思われるのが、先週のサトノダイヤモンドと同じコンビとなるサトノノブレスの方。しかし、意外や意外、実は色気を持っている。

2歳時からクラシック候補と期待され、3歳春は軌道に乗れずも、秋の菊花賞ではエピファネイアの2着。翌年、G2日経新春杯を制し重賞初制覇、その後もGIというビッグタイトルは手にしていないものの、小倉記念を制し、さらに今年は中日新聞杯を勝つと、鳴尾記念では快時計でレコード勝ち、前走のオールカマーでもゴールドアクターに迫る2着に好走した。一時は「もう頭を打ったか…」と思わせる時期もあったが、どうやらここにきて「もうひと皮むけてきた」ようだ。こうなってくると無視できない存在になる。速い時計にも対応できるタイプ、長くいい脚を使う馬でもあり東京コースもいいだろう。そして鞍上、今週から短期免許を取得して来日するシュタルケ騎手、ジャパンCではナイトフラワーでの騎乗が決まっているだけに、ここ一回の勝負騎乗であることに間違いない。

さすがに先週のように「自信を持っている」とまでは言えないものの、少なくともここまで人気薄になるほど感触が悪いわけではない。そもそも、上位陣も一長一短あるメンバー構成、全てが上手く転がるようなら一発あっても良いだろう。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●ここで勝るのは?●

秋華賞・菊花賞という3歳3冠が終わり、今週は伝統の古馬GI天皇賞・秋。ここからジャパンカップ・有馬記念と、古馬の秋の3冠ロードが始まる。最近の傾向で、ジャパンカップ・有馬記念の1着賞金が高額なことでスキップする陣営も多くなり、今年はフルゲートに満たない15頭立てとなってしまった。それでも、秋の天皇賞らしい、マイル路線のトップホースも入り交じる面白み十分のレースとなっている。当然、ここからマイルCSへ駒を進める陣営もいるだろう。

マイルCSと言えば、土曜日京都のスワンSも、勝ち馬には優先出走権が与えられるトライアルレース。ただ、このレースも天皇賞と同じ様なムードがある。それは、マイルCSのトライアルとは言え、1200m・1400mがベストと思われる短距離志向の馬が入り交じっているところだ。しかも、本番を見据えている陣営よりも、短距離志向の陣営の方が、このレースに向けての本気度合いを感じると言うもの。

実際、上位人気のサトノアラジンは、ここを使ってマイルCS、さらに香港遠征を視野に入れており、今回はおつりを残さなければならない状況だ。

そんな中、エイシン軍団の2頭使いには注目してみたい。

まず、デビューから11戦6勝、勝率5割を超える素質馬エイシンスパルタン。鞍上は主戦だった藤岡佑介騎手が落馬負傷のため急遽岩田騎手にバトンタッチとなった。実はこの馬、夏場の復帰を目標にしていたのだが、筋肉痛などがあり調整が遅れ、今回も何とか間に合ったというのが正直なところ。ただ、斑鳩Sの時も、同じ様な状態で結果を出している様に、気で走るタイプなのかそこまで割り引く必要は無さそうだ。一応、この後は京阪杯を予定しており、そちらでも注目してみたい存在。

もう1頭のエイシンブルズアイは、本来ならセントウルSの後はスプリンターズSへ向かって然るべきなのだが、「名より実を取る」ような選択でここへ。その証とも言えるのが、鞍上に福永騎手を配しているところ。この馬の全5勝中4勝を挙げているジョッキーであるとともに、近3年の野中厩舎の勝ち頭でもあり、勝負ジョッキーの一人であることは間違い無い。さらに、前走のセントウルSで手綱を取った石橋脩騎手が「次はもっと良くなりそう」という感触を掴んでいたと言う話もある。人気は落とすを思われるが面白い存在だろう。マイルCSを目標にする組が地力で勝るのか、それとも短距離志向の勝負出走が勝つのか、馬券的にも非常に面白いレースだ。


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