採れたて!トレセン情報
第543回&第544回
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【関西事情通のちょっとイイ?話】
●意外に評価が低いのだが…●
今週は、いよいよ上半期の総決算、グランプリ宝塚記念。昨日も触れた通り、夏直前の暑い時期、さらに馬場の悪くなりやすい梅雨の時期でもありトップホースの回避も多いのだが、今年は現役屈指の実力馬ドゥラメンテを筆頭に、ファン投票1位キタサンブラック、そして2位のラブリーデイ、さらに古豪と元気一杯の4歳馬など好メンバーが17頭も揃い、見応えある、そして盛り上がる一戦となりそうだ。
そんな中で、ファン投票2位でありディフェンディングチャンピオンでもあるラブリーデイは、世間の評価は意外に低く、専門紙の印だけ見ると4・5番人気。昨年は6番人気だっただけに、昨年よりは評価されているが、その後京都大賞典、天皇賞(秋)を1番人気で快勝、ジャパンCでも1番人気、有馬記念でもゴールドシップに次ぐ2番人気、そのゴールドシップが引退レースの関係で過剰人気だったとすれば事実上1番人気、年明けの大阪杯でも1番人気に推されていたほど。その大阪杯と香港の4着で一気に評価が下がったことになる。
しかし、その大阪杯は香港遠征を見据えた叩き台であることは明らかであり。目一杯の仕上げではなかったはず。そして前走の香港クイーンエリザベスⅡ世Cでも、実は週中からゲリラ豪雨の様な猛烈な雨に加え、レース当日も直前まで大雨で相当な極悪馬場、道悪はこなすものの理想はパンパンの軽い良馬場のラブリ-デイにとっては、かなりタフなレースになった。そんな中でも、馬場の悪い内から一瞬は「勝てるか」という伸びを見せる、見せ場十分の競馬で4着、勝ち馬はパドックの時点から関係者が「勝った」と言うほど道悪に滅法強く、その巧拙の差が出たと言っていいだろう。内容は決して評価を下げるものではなかった。
前走後は、この宝塚記念を目標に、しっかり汗をかく時期とあってキッチリ食わせ込み負荷を掛けた調整が施され、状態は万全。また、気合が乗ってくるとモタれる面を見せる難しいところがあったのだが、今回はそういう面も出しておらず、どうやら香港遠征をしてさらに気性的にも身体的にも成長してきたようだ。
鞍上はルメール騎手、今年の上半期のGIでは毎回有力馬に騎乗していながら、惜しいレースは多くあれど結局勝ったのはNHKマイルCの1つのみ。このラブリーデイの騎乗は早くから決まっており、上半期を締め括るこのレースに対する思いは相当なものなのだろう。ドゥラメンテ、キタサンブラックといった元気のいい4歳馬相手に、古豪となるこのラブリーデイがどんな競馬をしてくれるか、ルメール騎手が勝利に拘る騎乗をするのか、注目してみたい。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●上半期の総決算●
暮れの有馬記念と同様、ファン投票で上位10頭に優先出走権が与えられる上半期の総決算となる宝塚記念。例年は暑さと、梅雨時期のため馬場悪化が懸念されて多くのトップホースが出走を見送ってきたが、今年は海外遠征帰りの強力な布陣と、国内組の対決が実現。
現役トップクラスがほぼ揃っており盛り上がることは間違いない。
ここで注目したいのはT・ベリー騎手とカレンミロティックのコンビ。
ベリー騎手は昨年が初来日で、今年で2年連続となる春競馬の参戦。
もともとの予定は皐月賞からの2か月で安田記念後に帰国するはずだった。
ところが、安田記念が行われる1週ほど前に宝塚記念の騎乗依頼が舞い込んだとのこと。
それがカレンミロティックで、ではどうしてかというと、前走でコンビを組んだ池添騎手にはお手馬ショウナンパンドラがスタンバイ。ヴィクトリアマイルから宝塚記念への出走を予定していた。
(その後ショウナンパンドラは回避。カレンミロティックの手綱が池添騎手に戻ることはなく、別のお手馬ヤマカツエースで落ち着いた)
では、そこでなぜカレンミロティックの鞍上にベリー騎手が指名されたのか。
それはカレンミロティックが今秋、ヨーロッパではなくオーストラリアのメルボルンCを目標にしているから。
メルボルンCの前哨戦としてコーフィールドCがあり、ともにハンデ戦となるため、日本のGⅠを勝っている馬はハンデがかなり重たくなりやすい。
その点、カレンミロティックはGⅠ2着は2度あるが、1着はまだないためハンデは比較的軽くなりやすい。
距離適性も延びていいタイプということで、凱旋門賞や香港競馬ではなく、天皇賞・春と同じ距離3200m長距離GⅠのメルボルンCを選択。
その時にオーストラリアのトップジョッキーであるベリー騎手に騎乗してほしい、それならば宝塚記念から「セット」でいかがでしょうか、ということがあったようだ。
ベリー騎手としても今年の天皇賞・春2着馬なら文句はないし、3カ月ある短期免許の残り1カ月を年末ではなく、ここで使い切って秋の競馬に生かそう、という計算が働いたことは言うまでもないはずだ。
もちろん、勝ちに行く競馬をするだろうが、ここで勝つとメルボルンCでのハンデがグンと上がるため、心の片隅では“ほどよく負けて秋につなげたい”という気持ちが芽生えるかもしれない。
ただ、ここが競馬の面白くて難しいところで、仮のこの消極的気持ちが実際に芽生えたとしても、その消極的な気持ちが余裕を生み、その余裕が競馬でプラスに働く場合が多々あるのだ。
カレンミロティックは今年の天皇賞・春で健在ぶりアピールできたし、一昨年の宝塚記念ではゴールドシップの2着もあり、侮れない実力馬。
ベリー騎手の思惑どおりにことが進むのかどうか。穴候補として一考してみてはどうだろうか。
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●競馬である以上可能性はゼロでは無い●
今週は、いよいよ上半期の総決算、グランプリ宝塚記念。夏直前の暑い時期、さらに馬場の悪くなりやすい梅雨の時期でもありトップホースの回避も多いのだが、今年は現役屈指の実力馬ドゥラメンテを筆頭に、ファン投票1位キタサンブラック、そして2位のラブリーデイ、さらに古豪と元気一杯の4歳馬など好メンバーが17頭も揃い、見応えある、そして盛り上がる一戦となりそうだ。
そんな宝塚記念ウイーク、重賞もこのレースだけとあって、ジョッキーの移動にも変化がある。リーディングトップの戸崎騎手は、土曜日は主戦場の東京で10鞍騎乗し日曜日はステファノスのために阪神へ、同じ東京が主戦場の横山典騎手、そして蛯名騎手も土曜日は東京で騎乗し日曜日はそれぞれアンビシャス・マリアライトのために阪神へ移動。今週で短期免許が切れるT・ベリー騎手も同じ行動。
土曜日函館騎乗組からも、岩田騎手、池添騎手、柴山騎手、そして田辺騎手がそれぞれ日曜日は阪神へ移動してくる。ただこの函館組の中で違和感のあるジョッキーがいる。それは、通常であれば東京を主戦場に、次週以降の夏競馬も毎年福島・新潟を主戦場としている田辺騎手が、土曜日は函館で騎乗している事。この田辺騎手は、お手馬が重なった時でも、例えGIでの騎乗依頼があろうと基本的には先約優先、また余り遠征はしない傾向にある。そんな彼が函館に出向いている理由は、やはりメインの大沼Sで騎乗するバンズームだろう。この馬に騎乗した際には、過去15回騎乗し掲示板を外した事は無く、馬券対象外に敗れたのも2回のみという好相性、逆を言えば田辺騎手自身がこの馬の事を良く判っており、また能力の高さを認めているからだろう。まずはこの田辺騎手の函館遠征には注目だ。
そしてもうひとつ違和感を感じるのが、日曜日に阪神への遠征を決めたこと。もちろん目的は宝塚記念のワンアンドオンリーに騎乗するためだが、元々予定されていた内田博騎手が2週
前の制裁で乗れなくなった事での急遽の依頼、前述通りGIであろうが基本は先約優先、この日も函館での騎乗が決まっており、普通なら土日函館で腰を据えて騎乗というタイプで、この行動には違和感が残る。
どうやら、クラレントで騎乗した経緯もあり、オーナーサイドと調教師で相談し白羽の矢を立てた様だ。
その依頼に応えた形となる今回の田辺騎手、ほかの騎乗馬に関東馬がいるわけでもなく、間違いなくこの馬の為に決めた行動、安田記念では絶対的存在だったモーリスを破る大金星を挙げたが、この宝塚記念でも同じ堀厩舎の管理馬である王者ドゥラメンテを破るシーンがあるのか…
競馬である以上可能性はゼロでは無い。
余談だが、函館から阪神へ移動するのは非常に難儀で、土曜日の函館最終レースに騎乗すると、日曜日の早いレースでの騎乗は出来なくなる。池添騎手と岩田騎手はその兼ね合いで午前中の騎乗が無い。参考までに。
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