採れたて!トレセン情報
第414回
最新号は毎週金・土曜日の20時にメルマガ配信。
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●ここへ対する勝負度合いは?●
今週からいよいよ3歳クラシックが開幕、その第一弾は牝馬による桜花賞だが、今週は土曜日にも東西で注目の重賞が組まれている。阪神の阪神牝馬Sも内回り芝1400mにしてこのメンバー構成、さらに雨の影響もありそうで難解極まりない。どの馬にもチャンスがありそうな大混戦レースになりそうだ。
対して中山は、NHKマイルCの前哨戦、3着までに優先出走権が与えられるトライアル、ニュージーランドT。ここには同じマイルの重賞アーリントンCの1・2着馬が出走し上位人気が予想される。その勝ったヤングマンパワー、そして2着のアルマワイオリは、収得賞金的にはマイルC出走へ向け十分に足りており、ここで何が何でも優先出走権を得たいという雰囲気では無いだろう。逆に、そのアーリントンCで惜しくも同タイム3着で賞金加算出来なかったマテンロウハピネスの方が、ここでの勝負度合いは上に見える。
今年の3歳戦線は、2歳重賞が新設されたこともあり収得賞金のボーダーはやや高目、NHKマイルCには桜花賞や皐月賞からも参戦してくる馬もあり、より高くなる可能性がある。例年なら2勝馬でも、最悪でも抽選で出走できるところだが、今年は厳しくなりそうな雰囲気。ゆえにマテンロウハピネス陣営のここへ対する勝負度合いはより高くなる。元より、アーリントンCで際どい勝負をしている事で重賞でも十分勝負になるどころか、出走できれば本番でも可能性がある馬、当然だろう。
鞍上は松田大作騎手、先日のファルコンSで自身初のJRA重賞制覇を成し遂げたばかり。デビューから19年目での快挙だが、その重賞制覇という一つの壁をクリアしたことで、勢いに乗ってくる可能性もある。と言うのも、初勝利、初重賞、初GIなどその壁を破ると2つ目というのは意外と早く来るもの。先日もデビュー12年目の丹内騎手が地方交流で初重賞制覇を成し遂げたが、その壁を破った途端すぐにJRA重賞も制覇した。
枠順も2枠4番と絶好枠を引き、同型のアクティブミノルは7枠14番、枠の並びもその勢いに乗っているようにいい流れも出来ている。僅かの差で勝利を逃したアーリントンCの分も、ここで勝利を掴んで欲しい1頭だ。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●乗り替わりのあれこれ、その1●
先週は北村宏騎手、松岡騎手の騎乗停止に田辺騎手が脚を負傷して乗り替わり、そして今週はまだ痛みが残っているということで騎乗を取りやめ。関東から一気に3人の人気騎手が騎乗できなくなったので、関係者は代役探しに大慌て。
この3騎手は土日で20頭近くは騎乗していたはずで、つまり50~60頭近くの馬の鞍上が白紙になった状態。そうなれば関係者はとても困るが、騎乗馬が回ってくることでチャンスを得る騎手も多数出てくるということにもなる。
土曜日の競馬でもっとも大きなチャンスを得たのは丸山騎手ではないだろうか。
本来なら丸山騎手は今週から始まる福島競馬場で騎乗しているはずだが、土曜日の10レースでお手馬レイズアスピリットに騎乗するために中山へ。
先週の段階ではニュージーランドTに騎乗予定馬はいなかったが、松岡騎手が騎乗停止になったことでヤングマンパワーの依頼が舞い込んできた。
本番であるNHKマイルCでは松岡騎手に手綱は戻る予定だが、前走で重賞を勝っている馬の代打なら喜んで依頼を受けるだろうし、勝つことができれば、もしかしたらがあるのがこの世界。
「勝てば官軍」ということだ。
またこのニュージーランドT、北村宏騎手で予定していたナイトフォックスは田中勝騎手へ、田辺騎手で予定していたタケルラムセスは江田騎手へとそれぞれ乗り替わった。
現時点でのNHKマイルCのボーダーラインは皐月賞・桜花賞組が回ってくることを考えると、かなりの賞金が必要な状況で、となるとこのトライアルレースはとても重要なレースとなってくる。
果たして、「勝って官軍」となれる陣営はどこなのか?!
【関西事情通のちょっとイイ?話】
●本来は人気を二分していい存在!●
今週日曜はいよいよクラシック第一弾の桜花賞。牡馬相手に3戦3勝、異例とも言えるきさらぎ賞からの臨戦、そして2走前に破った牡馬2頭は後に京成杯を勝つベルーフと毎日杯を勝ったミュゼエイリアン、牝馬のみならず牡馬を含めても3歳トップクラスという評価をする者もいるルージュバック。勝負服が同じと言うこともあって、昨年のハープスターとダブって見えるところもある。
ただ、まだ判らないところが残されている事も確か。右回りと輸送競馬を克服したとは言っても、ここまでの3戦は新潟、東京、京都と全て「軽い馬場」でのレース、今の阪神はとにかく緩く重い馬場、今週も金曜日からの降雨でどこまで回復するかと言われる様な状況で、恐らく重い馬場となるだろう。強烈な決め手が武器なだけに気になるところ。また、多頭数競馬も初めて、関東の牝馬には鬼門とも言われる阪神競馬場も初めて、少なくともそれらを経験しクリアしていた昨年のハープスターほど絶対的存在では無いだろう。
同じ3戦3勝、同じ異例の臨戦過程を踏んでいるクイーンズリングも本来は五分の評価が出来る存在のはず。確かに、負かして来た相手はそれほどでも無いが、1800mでデビューし、2戦目が1600m、そして前走はさらに距離を短縮させる1400mと、普通の逆を行くローテーション。クラシック候補となる馬ならば、段々と距離を延ばしていくのが通例、まさに異例のローテーション、そしてそんな中で全て圧勝してきたこの馬は、その相手関係云々に関係なく相当な器だろう。
その内容を振り返ると、新馬戦は大外枠から好スタートを決め、超スローペースを2番手で折り合い、4コーナーを回る前には先頭に立ち、直線は突き放す一方のワンサイドゲーム。2戦目は、不利と言われる中山芝マイル戦の大外枠から、枠なりの走りで道中は中段に位置し、直線に向くと早々先頭に立ちそのまま後続を寄せ付けず圧勝。そして距離がさらに短縮された前走はまたも8枠17番という大外枠、しかも外枠は不利と言われる阪神内回り芝1400m、しかしここでも外から豪快に差し切り勝ち、しかも道中は後方から直線大外を回しての、他馬とは一枚どころか二枚は違うレース振り、そしてマイル戦を意識したレース内容でもあった。
その3勝全てが違う内容、そのセンスの良さと勝ちっぷりを考えれば、本来はルージュバックと人気を二分する存在なのだが、前走の馬体減が影響してか意外と印は薄い。その馬体減について触れれば、そもそもカイバ食いの良い馬で前走の翌週の木曜日には既に452キロまで戻り、その後もカイバ食いが細くなることもなく、予定通り変わらない調整が出来ている。数字的にはそれほど変わらないかも知れないが、シッカリと乗り込んでおり馬体重は気にしなくて良さそうだ。
鞍上にはここ一番で強いミルコ・デムーロ、ルージュバック=戸崎に臆する必要は無いコンビ、人気的なことを考えれば、この馬の方が魅力に思えてならない。
【美浦の『聞き屋』の囁き】
●乗り替わりのあれこれ、その2●
その1に書いたとおり、関東では人気騎手3名が騎乗停止と負傷により乗り替わりとなることになった。
日曜日の競馬でもっとも大きなチャンスを得たのは杉原騎手ではないだろうか。
今年5年目で名門藤沢和厩舎に所属する若手騎手だ。
当初の予定では杉原騎手は日曜日は中山、北村宏騎手は福島で騎乗する予定だった。
なぜ、北村宏騎手は福島へとなったかというと、藤沢和厩舎のレッドレイヴンに騎乗するため。
ところが、騎乗停止となったため代役を探すことになったが、藤沢和師の納得する目ぼしい騎手が見つからなかったため、所属である杉原騎手が中山で受けていた多くの騎乗馬をすべてキャンセルして、急きょ福島へ戻ることとなったとのこと。
ふつうであれば若手騎手が直前ですべてをキャンセルするなど反感を買うだけだが、そこは所属厩舎ということと、藤沢和師の意向であれば仕方なし、という空気になり問題なく解決。
代打とはいえ、断然の人気が予想されるレッドレイヴンできっちりと結果を出すことができれば周りの評価も上がることは間違いなく、今後の騎乗依頼数も変わってくるはず。
若手騎手が生き残っていくためには、こういった数少ない、が大事なチャンスを生かせるかどうか次第。
桜花賞の裏でも熱い戦いはあるのだ。
うまスクエアメンバー登録
STEP:1メールアドレス入力
メールアドレスの入力
うまスクエアからのメルマガを受け取りたいメールアドレスを入力して下さい。
※携帯のメールアドレスでも、ご利用頂くことが出来ます。
入力されたメールアドレス宛てに【仮登録メール】をお送り致します。
【仮登録メール】に記載されたURLをクリックして頂くと、うまスクエアへのメンバー登録が完了します。
採れたて!トレセン情報とは?
競馬ファンなら誰もが気になる、トレセン内で聞いた『ジョッキーや厩舎の複雑な関係』、何故あの騎手があの馬に乗るのか…!?なぜ遠征するのか…!?他にも、トレセン内で噂の“あんな話こんな話”をメルマガ『うまスク通信』で、お伝えできる範囲で毎週金・土に配信致します。