採れたて!トレセン情報

第410回&第411回

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【美浦の『聞き屋』の囁き】

●サバイバルレース●

皐月賞までは中2週、距離は1800m。この微妙な間隔と距離もあって、今週阪神で行われる毎日杯は皐月賞トライアルとNHKマイルCトライアルという2つの意味合いがある特殊なレース。

今年も皐月賞を狙う馬たちとNHKマイルCを意識する馬たちが激突。

関東からはミュゼエイリアン、ソールインパクト、ルナプロスペクターの3頭が参戦。

注目したいのはルナプロスペクター。

ミュゼエイリアンとソールインパクトは皐月賞出走、ルナプロスペクターはNHKマイルCを目指している。

3戦中2戦で手綱を取っている大野騎手も素質を高く評価。

2勝目を挙げた前走は京都へ遠征していたためベリー騎手に手綱を譲らざるを得なかっただけで、毎日杯への依頼があった今回は即決で阪神行きを決めたとのこと。

以前にも書かせてもらったが今年は皐月賞出走への賞金ボーダーラインが過去にないほどの高さで、現時点では1400万~1650万あたりという異常な高さ。

それに伴ってNHKマイルCの賞金ボーダーも上昇。

なぜか。皐月賞出走が叶わなかった馬たちが路線変更となったり、相手関係を考慮しての路線変更など理由はそれぞれ。

現時点でNHKマイルCのボーダーラインは1200万以上。

つまり、ルナプロスペクターは最低でも2着以内が必要となってくる。

一方、皐月賞出走を目指すミュゼエイリアンとソールインパクトは現在400万しか賞金がないので、2着では賞金不足、勝つしかないという状況なのだ。

トライアルという名前こそついていないが、実際はやはりトライアルレース。生き残るのは一体!?


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●渾身騎乗が見られるか!?●

今週は、日曜日に春のGIシーズン開幕を知らせる高松宮記念、そしてその前日夜は今年も有力日本馬が参戦しているドバイ・ワールド・カップ、さらに土曜日にも東西で重賞が組まれており、GIシーズン突入に相応しい華やかな週末。

土曜日の重賞は、中山で天皇賞(春)の前哨戦となる日経賞、近年はこのレースをステップにしてきた馬の活躍が目立ち、昨年はなんと1・2・3着全てが日経賞組、今年も勿論注目の一戦。対して阪神の毎日杯も、皐月賞への東上最終便という立ち位置ながら、上位入線馬が後の日本ダービーやNHKマイルCという東京の大舞台で好走することも多く、先を見据えても注目の一戦と言える。

そんな毎日杯、馬も注目だが注目したい騎手も居る。今週で短期免許が切れるアンドレアシュ・シュタルケだ。、一昨年はガイヤースヴェルトで2着、昨年もステファノスで僅差の3着と2年連続で好勝負を演じ、本人としても相性の良いレース。

今年、手綱を取るのはグリュイエール、昨年と同じ藤原英昭厩舎の管理馬だ。

未勝利を勝って即、メンバーの揃っていた東京スポーツ杯に挑んだ様に、元々の素質は高く期待も大きい1頭。ただその東京スポーツ杯では折り合いを欠き9着に大敗、続く自己条件でも折り合いを欠いてしまい人気を裏切る5着に敗れてしまった。

そこで前走は、折り合いを重点に置いた競馬を試みた様でスタートしてから終始最後方からの競馬、そして直線は大外に出したところシッカリとした伸びを見せ4着にまで押し上げた。それまでの競馬からすればかなり収穫は大きいレース、そして前走が初騎乗だった鞍上のA・シュタルケも感触を掴めたはずだ。

このA・シュタルケ、今年は騎乗馬の巡り合わせも悪く昨年に比べて今ひとつ目立つ成績を残せておらず、日本の競馬ファンには彼の騎乗技術の上手さが浸透していない様だが、「乗れる」ジョッキーである事に間違いは無い。

昨春の天皇賞当日、ウインバリアシオンの騎乗が決まっていながら第5Rで落馬、左鎖骨骨折と外傷性気胸の重傷を負ってしまい、当然ウインバリアシオンは乗り替わり、そして本人も帰国せざるを得なくなってしまったが、その前週にはワールドエースでマイラーズCを制し日本での初重賞勝利を挙げ、前日にもダービートライアルの青葉賞でワールドインパクトに騎乗し2着を確保、キッチリと優先出走権を獲得していた。

今期の勝ち鞍は先週までで10勝、その数は決して多くは無いがその内1番人気は2頭のみ、ラインナップを考えれば良く勝っているとも言えるだろう。

このA・シュタルケも今期は今週が最後、次回の来日のためにも最後はキッチリとアピールしておきたいところ。相性の良いレースで自らが競馬を教えたグリュイエールに騎乗、今回は勝負に徹した渾身のレース見られそうだ。是非注目して見たい。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●「昔ながらの競馬」●

今週は春のGIシーズンの開幕を告げる高松宮記念。どの馬が勝つのかはもちろん注目だが、「どの馬が逃げるのか?」もっと具体的には「ハクサンムーンとアンバルブライベンのどちらが前なのか?」も、展開のカギを握るため大きな焦点となっている。

アンバルブライベンの福島調教師は「作戦なんて無い」と言わんばかりのハナを主張。2年前のアイラブリリの時はハクサンムーンに一目置いていたが、今回は逃げる競馬しかした事が無い馬ということもあってか、とにかく行かせる様だ。

対するハクサンムーンの西園調教師も、「競り合って負けるのなら仕方が無い」と、一歩も譲らない構え。この2頭のハナ争いはある意味このレースの最大の注目点だろう。

ところで、アンバルブライベンの鞍上は3年前の夏から田中健騎手がずっと手綱を取っている。対してハクサンムーンの方も、途中戸崎騎手に乗り替わった事もあったが、3年前の京阪杯以来ずっと酒井学騎手が主戦。共に、決してトップジョッキーと言える存在では無く、負ければ即乗り替りが当たり前の今の時代の競馬の中で、負けても起用し続けている福島師、西園師、両調教師には「昔ながらの競馬」を感じずにはいられない。

同じ様に、「昔ながらの競馬」を感じるのが西浦調教師だ。テイエムオーシャンやカワカミプリンセスへの本田優騎手起用や、最近でも勝浦騎手など、バリバリと重賞を勝つような人気ジョッキーや、今時の外国人騎手では無く、職人気質の玄人好みなジョッキーを起用することが多い。ここへ出走しているサドンストームにも、国分優作騎手を続けて起用。まだ若く決して「職人」とは言えないが、チャンスを与えた理由は、元は美浦の所属だった国分優作騎手が栗東に移ってからはずっと西浦厩舎を手伝っており、その関係で師が大きなチャンスを与えた様だ。

世話になっている師からの激励とも言えるビッグチャンス、その期待に応えるべく力が入るのは当然のところ。少し乗り難しいタイプの馬だが、この2戦は能力を出し切った競馬をしている様に、鞍上との息も合ってきており、この馬の決め手がフルに生かせる中京コースで大仕事をやってのける可能性もあるだろう。本当に楽しみな1頭だ。


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