採れたて!トレセン情報

第398回&第399回

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【美浦の『聞き屋』の囁き】

●横綱2頭に肉薄する馬は!?●

先週のきさらぎ賞では、牝馬ルージュバックが牡馬を圧倒する勝利を飾り、阪神JFを優勝したショウナンアデラと並び、この2頭が現時点での3歳牝馬戦線の横綱級。今週土曜日はその3歳牝馬による重賞クイーンCが行われるが、その2頭に肉薄する馬は現れるのか…!?

まずは何と言ってもカービングパスは注目だろう。先週の自己条件・春菜賞も視野に入っていたが、このクイーンCがほぼほぼ出走可能という事が判っていたため早い内からココに照準を合わせてきている。

先日のフェアリーSでは混戦ながらも単勝1番人気に推され、その人気に応えられず8着に大敗。鞍上の柴山騎手はレースを振り返り「ビュッと斬れるタイプでは無いのでもっと早く踏めば良かったかも…」と、やや悔いを残す敗戦だったようだ。普通はクビになってもおかしくないところだが、改めてチャンスをもらいここは汚名返上の場。元より、笠松から移籍した初年度から80勝していた様に腕はあるジョッキー、その後は一時干され気味になっていた時期もあって主戦場をローカルとしてきていたが、昨年の夏以降、手伝っていた藤沢和雄調教師に懇意にしてもらい、主戦は北村宏司騎手ながらも、厩舎のセカンドジョッキーとして中央で乗るチャンスを与えられてきた。そこである程度の結果を出して来たことで、このカービングパスも新馬戦以来、連続して騎乗させてもらっている。その恩に応えるためにも、そして自らのためにもココは是が非でも結果を出したいところだ。

コメント通り瞬間的に斬れる脚は無いため、東京コースに替わるのは大きなプラス、いい競馬を期待したい。

人気になる馬と言えば、2戦2勝のキャットコインもある程度重い印を集めそうだ。この馬は、まだ成長途上でカイバ食いが悪く、一回使うとダメージが大きく回復するのに時間が掛かる。そんな弱い体質ながらこれだけの結果を残しているところが能力の証なのだが、もし桜花賞に出走させるならココから直行でなくてはならいない。ゆえに、キャットコインにすればここが「桜花賞トライアル」、ある意味で桜花賞出走を占う勝負の出走だ。

そのキャットコインを測りにかけ「キャットコインが人気なら自分の馬にもチャンスはある」と言うのが三浦騎手が手綱を取るロッカフラベイビー。前走のひいらぎ賞の内容から「東京なら逆転できる」という手応えがあるのだろう。デキも今メチャクチャいいそうだ。

ショウナンアデラ・ルージュバックに肉薄する馬は現れるのか注目の一戦…だが、面白いことにその有力全てが関東馬。長いこと西高東低と言われて来たが、徐々に、少しずつ変化してきているのかも知れない。

※因みに次週のフェブラリーSでは、特別登録で美浦所属馬はベルゲンクライ1頭のみでしかも除外候補。そうは言ってもまだまだ西の層は厚いようだ。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●好勢関東勢に一矢報いる!●

今週は東西で注目重賞が3鞍行われる。土曜日は東京で3歳牝馬による重賞クイーンC。この世代の牝馬重賞は、昨秋の東京アルテミスSで関東馬ココロノアイが優勝、翌週のファンタジーSこそ関西馬クールホタルビが勝ったものの、GI阪神ジュベナイルFは関東馬ショウナンアデラ、年明けのフェアリーSでも関東馬ノットフォーマルが優勝と、勝ち馬に関しては関東馬が優勢、しかも唯一関西馬が勝ったファンタジーSは、出走馬全てが関西馬だっただけに、事実上は全て関東馬に勝たれていると言っても過言でもない。さらに、先週のきさらぎ賞ではルージュバックが快勝と勢いは留まらない。このクイーンCでも上位評価は関東馬が多いようだ。

そんな劣勢の関西陣だが、ここには能力は決して劣らない、逆に上ではとも思える素質馬が出走してきている。

まずは何と言ってもロカ。キャリア1戦の馬がGIの舞台、阪神ジュベナイルFで1番人気、それは新馬戦をケタ違いの脚で圧勝し、その素質を買われての事だろう。結果、その1番人気のプレッシャーと、キャリアの浅さも露呈してしまい8着に敗れた。しかし、ある意味仕方のないところでもあり、評価の下がる敗戦では無く関西での評価は相変わらず高い。今回は能力を出し切りやすい、のびのび走れる東京のマイル戦、雄大な馬体でダイナミックに走る馬なだけに巻き返しがあっていい。ただ輸送を考慮した仕上げではある様で、その辺りは注意して頂きたい。

もう1頭、ミッキークイーンも注目の素質馬だ。管理する池江泰寿厩舎と言えばスタリオン・メーカーな厩舎で、スタンスは種牡馬を育てるところに主眼があるため活躍馬も牡馬が多い。2003年の開業から数々のGI馬を輩出していながら、なんと牝馬でクラシックに参戦したのはトーセンソレイユ、ハブルバブル、エアパスカルの3頭だけ。それほど偏った成績、にも関わらず、このミッキークイーンは「厩舎のクラシック候補」と言われている。デビュー戦は1400mで出遅れ後方からの競馬、しかも超スローで逃げ馬を交わせず2着、2戦目でキッチリ勝ち上がったが、決して得意とは言えない緩い馬場での勝利、この2戦だけでもこの馬の秘めた能力は推し量れる。「東京の軽い馬場ならディープ産駒らしい切れ味が見せられるはず」と厩舎の遠征だ。

先程も触れたが、スタリオン・メーカーな厩舎にも関わらず「クラシック候補」と言わしめる牝馬、これは注目しなくてはいけないだろう。そして好勢関東勢に一矢報いて欲しいところだ。


【美浦の『聞き屋』の囁き】

●自信の裏返し?●

土曜日のクイーンCは3歳牝馬による争い。日曜日の東京では3歳牡馬のクラシック候補が集う共同通信杯が行われる。

昨年はイスラボニータが完勝、3年前には勝ったゴールドシップがクラシック2冠を制覇、2着ディープブリランテが日本ダービーを勝ち2頭でクラシック3冠制覇、さらに3着スピルバーグまでもが昨秋の天皇賞を勝つという快挙、まさに大出世レースとなった。今年も、クラシックのみならず先のGI馬と成り得る素質馬が出走してきている。

まずは何と言ってもドゥラメンテ。母は女傑エアグルーヴの初仔アドマイヤグルーヴ、その女傑の牝系を継ぐ超良血馬で、もちろん早くからクラシック候補と期待されていた。

前走のセントポーリア賞は、陣営も負けるつもりは全く無く、レース前から中一週で共同通信杯を予定していた。(仮に負けたとしても使ってきたとは思うが…)結果、そのセントポーリア賞をノーステッキで快勝、抜け出す時のキレはも凄かったが、抜け出した後の脚の速さもケタ違いで、他馬とは次元の違う走りだった。

当初、前走はベリーで出走を予定していたが、ゲートだけは繊細なところがあり、ゲート試験でも跨り、乗り慣れている石橋脩騎手に依頼、チャンスを与えた形だ。そこでキッチリ結果を出した事で今回も引き続き騎乗が決まった。ここを勝てば恐らく皐月賞直行、ゆえに石橋脩騎手にとっても本番で乗れる可能性は高く是が非でも結果を出したい一戦になる。

2012年には初のGI制覇に加え重賞4勝で勢いに乗ったかと思われたが、翌年は重賞を勝てず、昨年に至っては勝ち鞍も27勝に留まる体たらく。今年は心機一転、新たな気持ちで挑む年と年頭から気を引き締め直していたが、今年早くも5勝を挙げ、そして早くもこんなビッグチャンスが巡って来た。週中のトレセンでは、コメントは控え気味、日刊紙などの取材にも避けているように見えた。恐らく聞かれれば「自信がある」と言ってしまう(自信が無いというのは嘘になる)から敢えて避けていたのだろう。そう、「自信があるからこそ敢えて避けていた」という雰囲気も窺えた。

3月からは外国人騎手二人も本格参戦、中堅騎手にしてみればまさに正念場、石橋脩騎手が決めてくれるところを是非見てみたい。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●京都記念・共同通信杯の裏●

今週は土日で3重賞、日曜日にはキズナ・ハープスターというスターホースが出走する京都記念、さらに裏の東京ではクラシック候補が集う共同通信杯が行われる。両重賞とも好メンバーが揃うとあって相当に盛り上がるだろう。そんな京都開催、裏の東京開催の影、重賞も無く裏の裏開催と言える小倉開催は、普通はローカルを主戦場にしているジョッキーだけになるところ。ところが、今週は少し形相が違う。と言うのも、普段は中央開催で騎乗している小牧太騎手、そして藤田騎手の二人が参戦しているからだ。

本来ならダノンメジャーで共同通信杯に乗っていておかしくない小牧太騎手、実は地元九州での開催と言うことで、春の小倉には毎年一回は遠征して騎乗しており、今年は今週の日曜日に行くことになったそうだ。ただその半面、デビューから手綱を取り、クラシック候補と期待していたダンンメジャーが乗り代わりになってしまった傷心旅行的な要素もあるのかも知れない。

対して、藤田騎手。藤田騎手の小倉遠征は、夏場は北海道シリーズを主戦場にしていることもあって本当に稀。ましてや重賞も無い週に参戦となれば本当に珍しいこと。しかも、公言はされていないがサークル関係者には半ば公然の事実である札幌からの通いで騎乗している昨今、その移動費だけ考えても相当な事だろう。そのお目当ては、白井厩舎の管理馬シンワウォッカに乗るためだ。フサイチパンドラでGIを勝ったコンビ、その白井師があと2週余りで定年引退と言う事もあるのだろう。ここは登録頭数も多く抽選除外の可能性も高かったのだが、見事その厳しい抽選枠を突破、まるでその経緯を知っているかのうような出来事だ。

大半の競馬ファンの日曜日の目玉は京都記念と共同通信杯だとは思うが、裏の裏開催、小倉競馬にも是非注目して頂きたい。


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