採れたて!トレセン情報

第377回&第378回

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【関西事情通のちょっとイイ?話】

●見方を変えても面白い金鯱賞!●

今週から開催が替わり中山・阪神、そして第3場開催の中京がスタート、12月の師走競馬らしくなってきた。

師走競馬の最大のお祭りと言えば最終週の有馬記念。その有馬記念へ向け、ジャパンC以外からの有力馬がステップレースとして参戦している金鯱賞が今週土曜日に中京競馬場で行われる。

昨年の有馬記念ではオルフェーヴルの2着、この他ダービー・菊花賞などでも同じオルフェーヴルの2着、今年の春の天皇賞でもフェノーメノの僅差2着、GI勝ちの勲章は無いものの匹敵する実績を持つウインバリアシオンが、昨年と同じ有馬記念の前哨戦としてここから始動する。

その昨年は1年半ぶりの競馬で3着だったが、今年は約半年振りとあって、昨年よりはいい状態で出走できるそうだ。鞍上には、昨年騎乗した岩田騎手はゴールドシップで決まっているため、当初は内田博幸騎手で決まっていた。ところが、ヴィルシーナが有馬記念で引退レースを迎えるため、次走で乗れなくなってしまい、「本番でも騎乗できる騎手を」と藤岡康太騎手に決まった経緯がある。
昨年もこの金鯱賞で騎乗し3着、本番では替えられてしまったが、今年は本番でも騎乗できる可能性が高く、まして昨年以上の状態とあればより期待も高まるところだ。

この他にも、鞍上起用には様々な絡みのあるこのレース、やはりここを使って有馬記念を予定しているオーシャンブルーは、当初C・ルメールを予定していたが怪我のため乗れず。その代打に起用されたのが松山騎手。松山にとってみればチャンスを貰った形、アピールの場でもあり良い結果を出したいところ。

今週、急遽帰国したP・ブドー騎手が騎乗予定だったのはニューダイナスティ、こちらは次と言うよりもまずは外国人起用でココ勝負の雰囲気だった。代打には先日菊花賞を制した酒井学騎手。やはり大舞台で勝利すると、こういう騎乗機会が回ってくる様になる。ここで結果が出せればさらにチャンスが回ってくる様になるだろう。

さらにもう1頭、ここを使って有馬記念に向かう予定のラストインパクト。そもそも川田騎手のもう1頭のお手馬ラキシスも有馬記念を予定しているが、こちらはC・デムーロ騎手、そしてエピファネイアには川田騎手が騎乗すると角居師から発表された。ゆえに、今回の金鯱賞での騎乗は本番を見据えたレースでは無くなったことになる。

それぞれにそれぞれの思い・しがらみのある金鯱賞、果たして誰が勝つのか、そして結果的にジャパンカップの有力所も出走する事になった有馬記念を睨み、注目の一戦であることに間違いは無い。


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●騎手事情は様々だが・・・●

今週のGIは、開催場を中京に移設しレース名も変更されたチャンピオンズカップ。ダートの国際GIとしてジャパンカップダートが新設されてから15年目、「ジャパンカップ」の名が消えてしまったのは本当に残念だが、下半期のダート王決定戦として、古豪対4歳勢という図式の好メンバーが揃った一戦となった。

勝たずとも偉業と言えるジャパンカップダート3年連続2着のワンダーアキュート、昨年1番人気のホッコータルマエ、一昨年1番人気のローマンレジェンド、その年の勝ち馬ニホンピロアワーズ、この他にも復調気配のあるGI馬グレープブランデー、ダートの重賞常連と言えるダノンカモンなど層の厚い古豪勢。対して既に実績NO1とも言えるコパノリッキーを始め、勢いのある新興勢力、前哨戦のみやこSを勝ち3連勝中のインカンテーション、ジャパンダートダービーの勝ち馬で前哨戦のJBCクラシックでは1番人気に推されたクリソライトなど、4歳勢の勢いには目を見張るものがある。

この古豪対4歳勢の対決を占うように、ジョッキーの動きもあった。まずクリソライトは本来ルメール騎手が騎乗予定だったが、怪我で乗れなくなったため、阪神で騎乗を予定していたビュイックが予定を変更して急きょ参戦。

ダノンカモンに騎乗予定だったブドーの代打には、土曜日のオーシャンブルーに続きチャンスを貰った松山、そしてワンダーアキュートに乗る武豊も前哨戦の武蔵野Sで自ら勝たせたワイドバッハには乗れず、親交ある蛯名にまた譲ったかたち。

さらにホッコータルマエの幸も、もう1頭のお手馬クリノスターオーも駒を進めてきたが、GI戦線をともに歩んできたホッコータルマエを選んだ。この経緯だけを考えても、ひとつの答えは出てきそうだが、主戦を確保できなかった陣営にも侮れない馬が存在する。幸に代わってライアン・ムーアが手綱を取るクリノスターオーだ。

実は、丁度1年前のWSJSでこのクリノスターオーに抽選でムーアが跨り勝利を挙げているのだが、当時から「結構上まで行ける馬」とムーア自身がこの馬のことを褒めていた。その話を聞いている陣営が、「幸が乗れないならムーアに」と早くから声を掛けていたそうだ。

ご存知の方も多いと思うが、外から被されると走る気を無くしてしまう気の悪い馬。前走はまさにそれで負けた様なものだが、レースが終わってからすぐに息が入った様に、やはり全く能力を出し切っていなかった。それでいて差の無い競馬をしている辺りに「GI級」の能力は感じ取れる。そういった面を考えると、スミヨンと双璧をなす世界のトップジョッキーであるムーア、ましてや最後までビッシリと追いまくってくるジョッキーでもあり、その鞍上の手腕でクリノスターオーが全能力を出し切ることが出来れば、歴戦の古豪、新興勢力の4歳勢諸共、まとめて破ってしまうシーンも想像し難くない。

イギリス・アイルランド・フランス・アメリカ・香港・ドバイ・カナダ・オーストラリア、そして日本と多くの競馬主要諸国でGI勝利を収め、ドイツ・イタリアでも重賞制覇しているムーア、今回の短期免許期間中のGIチャンスはこのレースと朝日杯FSの2回、そう言った意味でも目一杯の騎乗が見られるはずだ。とにかく注目してみたい。

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●大混戦を制するのは一体・・・●

文字どおり群雄割拠、大混戦のジャパンカップダート改め、チャンピオンズC。

芝をメインに走っている馬に比べるとダート中心の場合は息の長い活躍をする馬が多い。
これはもちろん足元への負担がダートの方が軽い、ということもあるが、ダートで成功する馬は晩成傾向にある、ということもある。

今年は例年以上に各世代の好メンバーが集結した。

この中で注目したいのがインカンテーションと大野騎手。

大野騎手は今年でデビュー10年目。秋にはスプリンターズSで待望のGⅠ初勝利を挙げた。

インカンテーションは地味な存在ではあるが、今年に入ってからの活躍は目覚ましいものがあり、“勝ち方を覚えた”という印象で一気に本格化。

特にチャンピオンズCの前哨戦となったみやこSでは、今までの先行抜け出しという得意のパターンではなく、中団待機から差し切るという味のある内容で快勝。

これだけのパフォーマンスを見せているにもかかわらず人気にならないのはインカンテーションが地味なのか、または大野騎手が地味なのか。それもこの舞台で力を示すことができれば、否が応でも目立つことができる。

大野騎手も「長い間コンビを組んできたので、この馬のいいところと悪いところ、すべて掴んでいるつもりです。これまで以上に相手は強くなるけれど今の充実ぶりなら十分戦えると思っているので、あとは落ち着いて今までどおりに臨むだけです」と自信をのぞかせていた。

もう1頭はグレープブランデーと北村宏騎手。

北村宏騎手は2年連続年間100勝を挙げて、記憶にも新しいスピルバーグとのコンビで天皇賞・秋を制覇。

関東リーディング2位につけて世代交代を狙えるところまでに信頼を勝ち得ている。

そんな北村宏騎手は今年に入ってから昨年までと傾向がある。

それは今年は例年以上に遠征が増えたこと。

どういうことかというと、昨年までは中山&東京を中心とした騎乗が多く、関西圏はもちろん北海道への参戦が少なかった。

ところが今年は阪神&京都へ、函館に札幌へとお手馬の出走に合わせての遠征回数が大幅に増加。

遠征回数が増えるということは、主戦場で騎乗していた馬に騎乗できない、つまり勝てるチャンスが減る。

なぜなら、遠征先はサッカーでいうところのアウェイになるからだ。

そんな中で昨年以上の勝ち星に多くの重賞勝利を挙げている点は、騎手としての技量が上がったと言って間違いないだろう。

どうしてチャンピオンズCへ乗りに行くのか、という質問をぶつけたところ、「前走、普通のオープン馬なら馬群に飲み込まれているところだが、そこからもう一度踏ん張った走りは、やはりGⅠ勝ち馬の底力だと思う。あの走りに上積みが見込めるようなら、チャンスがあると思ったから。それにGⅠを勝つためには、その舞台に立っていないと勝てないですかね」と、いつもの落ち着いた口調ながら笑顔で話してくれた。

関東馬が1頭もいないというレースなので、それならば関東の騎手を応援したい!!

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