うまスクエア

第266回［2013年11月22日］　最新号は毎週金・土曜日の20時にメルマガ配信。

【キャピタルＳ】３歳勢上昇中

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●３歳勢上昇中●
サトノギャラントの前走、アイルランドＴは圧倒的な１番人気に支持されながらも本来の瞬発力を発揮できずに、さらに後方にいたレインスティックに差されてしまう不本意な敗戦。勝てば天皇賞・秋に挑戦というプランも当然消えてしまい、今回は仕切り直しの大事な一戦。ところが、サトノギャラントの主戦を務める北村宏騎手が非常に警戒しているのが、上昇中の３歳馬シャイニープリンス。

なぜかと言えばシャイニープリンスの前走富士Ｓで騎乗しており、直線で前が壁のままで実際に追えたのは１００ｍもない程度で、それで勝ち馬ダノンシャークに０秒１差まで肉薄、そのダノンシャークは次走のマイルＣＳでは１番人気に支持されて僅差の３着に入線。

机上の単純な比較ではあるが、シャイニープリンスは富士Ｓでダノンシャークと互角の戦いを演じており、そのダノンシャークがマイルＣＳで上位入線ならシャイニープリンスも掲示板以上があったかもしれない。

実際、北村宏騎手に話を聞くと、「富士Ｓでは行くところ行くところが壁になってしまい完全に脚を余してしまいました。最後に前が空いてからの反応は素晴らしく、あと少し早く空いていれば届いていたと思います。走る馬ですね」と高評価。また、「今回シャイニープリンスのは誰が乗るんですか」と逆取材をしてくるぐらいで、強敵と認識していることは間違いない。

また、この時期の３歳馬と言えば古馬との実力差がなくなる頃でもあり、例えばエリザベス女王杯では３歳馬同士のワンツーで決着しており、他に５頭いる３歳勢も強力なラインナップ。

その中ではダービー以来の出走となるメイケイペガスターで藤田騎手は同馬のために遠征。田中勝騎手はＮＨＫマイルＣで２着に入線したインパルスヒーローではなく、同じ３歳馬のスイートサルサを選択。東京では堅実な走りを見せるレッドアリオンなど、伏兵と呼ぶにはもったいない馬ばかり。古馬VＳ３歳馬の来年へと繋がる戦いから目が離せない。


【関西事情通のちょっとイイ？話】

●今週からこの人も注目です!?●
今週からまた一人、外国人騎手が短期免許を取得して日本の競馬に参戦する。すっかりお馴染みとなったＣ.ウィリアムズだ。昨秋もジャパンカップウイークから来日し有馬記念まで参戦、春の成績と合わせ年間で156回騎乗し27勝、勝率0.173、そして連対率は0.314と驚異的な数字を残した。

今年も５月の東京から参戦し宝塚記念まで参戦。101回騎乗し11勝、勝率0.109、連対率0.228と、今年はピンポイント参戦には不利な状況ながらも高い数字をキープしている。

この秋もジャパンカップウイーク参戦、間違いなく日本の競馬を盛り上げてくれることだろう。
その初週、日曜日は当然ジャパンカップに騎乗するため東京競馬場で乗るが、本来なら土曜日は重賞が開催される京都で乗っていてもおかしくないところ。では何故土曜日も東京なのか…まさかラインブラッドに乗るため？そんな風に考えてしまう方もいると思うのでその事情をお伝えしましょう。

当初は、実はキャピタルＳへ出走を予定していたリルダヴァルに乗るために東京で予定を組んでいた。ところが、そのリルダヴァルがマイルＣＳに出走可能（例年なら賞金的に出走は厳しい）となり、オーナーサイドの意向もあって一週繰り上げて使う事になった。

そこでウィリアムズにはサンレイレーザーの声が掛かった。一旦は決まりかけていたのだが、なんとこのサンレイレーザーもマイルＣＳに出走が叶うことになり、またもや白紙に。

それでも依頼があるところがウィリアムズ、ラインブラッド騎乗が決まったが、ここ一年、同馬は馬券に絡んでおらず、しかも今回は休養明けの一戦で厳しい競馬なりそう。こういう時にどんな競馬をしてくれるか、その手腕に注目したい。

因みに、実は当初リルダヴァルとセットで同じ池江寿厩舎のリグヴェータの騎乗依頼があり、ならばと東京での騎乗を決めた経緯もあるそうだ。残念ながらリルダヴァルの騎乗は叶わなかったが、その分、リグヴェータに対する思いは強いことだろう。実はこの馬の騎乗が、Ｃ.ウィリアムズの初日の目玉と言えそうだ。