うまスクエア

第259回［2013年10月26日］　最新号は毎週金・土曜日の20時にメルマガ配信。

【天皇賞・秋】今年も輸送は大変です！

【関西事情通チョッといい話】

●今年も輸送は大変です！●

昨年の天皇賞（秋）の時にも、関西馬には輸送で大きな試練があった。中央高速で大事故があり長時間の通行止め、しかも丁度そこを通りかかった馬運車が多く、辛くも手前のインターで降り難を逃れた陣営もいれば、通行止めの間、高速上で足止めを食らってしまった陣営もいた。天皇賞に出走していた馬でも、明暗を分けた結果もあった。

そして今年もまた、関西馬にとって苦難が待ち受けていた。週中の段階では、台風の影響で土曜日の開催中止、そして交通期間が麻痺してしまう懸念があり、「日曜日の東京へ出走する関西馬は金曜日に輸送」という指示が出た。通常、日曜日の関東圏へ出走する関西馬は、金曜日の朝に微調整、厩舎によっては時計になるところを調教し、そして翌日の土曜日に輸送するというのが通例。それが今回は金曜日に輸送しなくてはならず、運動は土曜日の朝、東京競馬場でとなる。一応、競馬場での馬場を使うことは出来る様だが、普段と違う調整過程になる事は確か。今年も、特に天皇賞出走組にも影響は少なからずありそうだ。日曜日に出走する関西馬には、当日の馬体重と気配は要チェックでる。

そんな状況なゆえに、日曜東京で出走を予定していながら、急きょ京都へ変更した馬もいた。中でも音無厩舎の期待馬ゼアミは、新馬と言う事もあるが、その期待の大きさからトラブルを避けたかったのだろう、日曜東京ダート1600ｍの予定を木曜日のギリギリに京都ダート1400ｍに変更してきた。

ケイコの動きは抜群、「能力は相当高い」と言われているが、ゲートだけはもうひとつで、ゆえに東京のマイル戦を予定していた。ただ京都の1400ｍもメンバーが手薄になり「かえって良かったのでは」とも言われている。

初めてのレースなだけに気を使うのは当然だが、そこまで拘ってデビューさせるこの馬、そのレース振りは是非とも注目したい。

●得したのは！？損したのは！？●
今年の天皇賞・秋はフルゲートを割った17頭が出走。

早速だが、まずは損をした人から。その最もは北村宏騎手だろう。

なんといっても藤沢和厩舎のサトノギャラントに振り回されたことがすべて。

まず、前走のアイルランドＴでは単勝1.4倍という断然人気。勝って賞金を加算して天皇賞へという青写真だったが、伏兵のレインスティックに差されて２着。ここからすべての歯車が狂いだした感じ。

アイルランドＴのレース前にお手馬ダイワファルコンが出走を表明。

この時点ではまさか負けるとは思っていないので依頼をキャンセル。

次に、こちらもお手馬で藤沢和厩舎管理のレッドスパーダ。

同馬はもともと前走の毎日王冠後は天皇賞へ向かう予定で、この時点では北村宏騎手で予定していた。

ところが、天皇賞へ出走を表明している馬を調べるとサトノギャラントの賞金でもボーダー前後ということが判明。ならば、出走できるならサトノギャラントと北村宏騎手は自ら選択。

そこでレッドスパーダの鞍上に指名されたのが蛯名騎手。

ところが蓋を開けてみるとサトノギャラントはアイルランドＴを勝てなかったことで補欠の一番手。

この時点が今週の月曜日。

ところがところが、火曜日にヤフーニュースでも取り上げられたように、ダークシャドウが外傷を追って出走回避。

つまり、水曜日には繰り上がりで晴れて天皇賞への出走が可能になったわけだが、ここから急展開。

台風の影響で馬場悪化を懸念した藤沢和調教師が熟考の末、サトノギャラントの回避を決断。

簡単に言えば、お手馬２頭を断わって、繰り上がりで出走できるようになったが、結局は騎乗馬なし、という結末。お手馬ならば返してもらえばと思うかもしれないが、ダイワファルコンはわざわざ京都から川須騎手を呼んだため、レッドスパーダはベテラン蛯名騎手に頼んだため、取り返すことができなかったのだ。
戸崎騎手も同じようなもの。

お手馬ダークシャドウがいるからとオーシャンブルーをキャンセルしたが、火曜日に外傷を負って回避。オーシャンブルーを返してもらえばいいが、相手が内田博騎手となると、そう簡単にはいかないもの。

一方得をしたのは、この話の流れで分かるように、川須・蛯名・内田博騎手となるわけだ。

道悪馬場に加えて今週からＡ→Ｂコース変わり。これがどういった作用をもたらすのか。

荒れるのか、荒れないのか。本当に得をするのは、いったい誰なのか。結果は如何に!?