うまスクエア

第232回［2013年7月27日］　最新号は毎週金・土曜日の20時にメルマガ配信。

【クイーンＳ】人気でも逆らえない！？

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●人気でも逆らえない！？●

札幌競馬場が改修工事中のため、今年の北海道内での競馬は函館開催のみ。

例年ならば函館競馬開催中に札幌に馬が滞在できるため、つまり札幌で調教を積んで週末に函館で競馬に出走することができる、逆に札幌競馬開催中はそれが逆になるので、函館を１０馬房、札幌を１０馬房、とすれば最大で２０馬房になるが、先に触れたように今年は函館しか使用できないので１０馬房のみ。

つまり、必然的に絶対数が少なくなってしまい少頭数での競馬ばかり。それは今週行われるクイーンＳでも同じだ。８頭立ての内、格下の準オープン馬が３頭というメンバー構成。この少頭数の中、人気の中心になるであろうアイムユアーズの鞍上について情報をひとつ。

アイムユアーズは前走ヴィクトリアマイルのあと、比較的早い段階で次走はクイーンＳに決定。再度、戸崎騎手に騎乗依頼を打診したが、あまりに先の予定なので一旦返事を保留。もちろんこの交渉は調教師と戸崎騎手のエージェント間での話。

アイムユアーズを管理する手塚調教師としては戸崎騎手に騎乗してほしいが、あまり返事を引っ張られても困ってしまうので、昨年のクイーンＳを同馬とのコンビで制した池添騎手に対して現状での予定を確認。池添騎手サイドは決断が早く、騎乗可能との返事。一時はコンビ再結成か、となりかけたが、ところがだ。アイムユアーズの次走について聞きつけた戸崎騎手自身が「次も乗せてもらいたい」という旨をエージェントに伝えたので、池添騎手の再結成話はなくなり、戸崎騎手続投という運びなったのだ。

エージェントの立場に立ってみれば重賞とはいえ、２か月先の予定となると即答はしにくいはず。実際、今年は函館開催だけの影響で８頭しか揃わない状況だったので、多くの依頼の中から騎乗馬を選ぶということができない状況、また新潟でも多くの依頼があるのは間違いがないから、できるだけ返事は保留して天秤にかけたと思うことは仕方がないのかもしれない。

しかし、騎手の立場からすれば、その馬の能力は乗ることでもっとも感じているので、「走る」と思えば先の予定でも乗りたいと思うものなのだろう。こういった素早い判断ができることも勝てる騎手の大事。


【関西事情通チョッといい話】

●お馴染みハクサンムーン登場!!●

高松宮記念での『超逃げ宣言！』など、泣きのシルポートとは違う逃げ馬で、このコーナーでもお馴染みのハクサンムーンが、昨年に続き今年もアイビスサマーダシュに参戦する。

その昨年は1000万条件を勝ったばかりで果敢に重賞に格上挑戦。結果は４着も、スタートして最初の１ハロンで５馬身ほど離す快速ぶりを見せ、最後は甘くなるも２着とはクビ差の惜敗と秘めた能力は見せた。

それから１年、今年は重賞京阪杯を勝ち、ＧＩ高松宮記念でもアワヤの３着と箔をつけ、ひと息入れて余裕残しのＣＢＣ賞でも57.5キロを背負いながらもこれまたアワヤの２着、馬体重も480キロと、成長しパワーアップしている事は間違いないだろう。昨年あった旋回癖も、鏡を使って矯正した甲斐あって今は見られないそうだ。

また、昨年は開催４日目、今年は開幕週の２日目、これもスピードが持ち味のこの馬にとってプラス。そして今年の鞍上には、この馬を良く知る酒井学騎手が手綱を取る。

新潟出身で初重賞制覇も新潟のカブトヤマ記念、新潟で１番人気に乗った時は、見習いが取れてからは2001年のトウケイオーに始まり５戦５勝と、地元でもあるからか抜群の成績を残している。夏の本開催の新潟参戦は３年振りだが、今やＧＩジョッキーでもある彼、恐らく１番人気で迎える今回、相棒ハクサンムーンとの走りは当然注目だ。