教えてマサカツ先生!

【アメリカJCC】ダノンデサイル異例の参戦!元調教師が語る「厳寒期のG2に使う理由」


今週のアメリカジョッキークラブカップ(G2、中山芝2200m)は、昨年のダービー馬ダノンデサイル、中山芝2200m重賞を2勝しているレーベンスティール,連覇を目指すチャックネイトなど、例年にも増して豪華メンバーが揃いました。

特にダノンデサイルは有馬記念3着からの続戦。近年は一流馬ほどレース間隔をあけるケースが目立つなかにあって、厳寒期に行われるG2出走は異例と表現しても差し支えないでしょう。

前年のダービー馬がアメリカJCCに参戦した例と言えば、競馬歴の長いファンであれば1999年のスペシャルウィークを思い出される方も多いのではないでしょうか。

牡馬2冠を狙った菊花賞はセイウンスカイの2着。1番人気に支持された前走のジャパンCでは翌年に凱旋門賞で2着に入るエルコンドルパサー、女傑エアグルーヴに次ぐ3着に敗れたとはいえ、3歳の年齢と戦った相手を考慮すれば負けて強しの内容です。

それだけにスペシャルウィークのアメリカJCC参戦は当時でも否定的で、直前には格下の調教パートナーに遅れるなど単勝2.0倍が物語るとおり、世間の評価は実績ほど断然とは言い難い存在でした。

しかし、終わって見ればノーステッキで3馬身差の圧勝。臨戦過程や直近の気配から完調手前の状態だったのは明らかで、改めて競走馬として“格の違い”を見せつけるレースぶりだったのを鮮明に覚えています。

今回のダノンデサイルも主戦の横山典騎手が乗れない(先約のマテンロウレオに騎乗)にも関わらず、あえて厳寒期のG2に使ってきました。その背景には、昨秋の2戦が消化不良に終わったこともあり“勝ち癖”を付けたいのかも知れません。

99年のスペシャルウィークもアメリカJCCを快勝後に本格化。天皇賞を春秋制し前年に涙を呑んだジャパンCを勝利しました。ダノンデサイルもまだ底を見せておらず、どんな競馬を見せてくれるか楽しみです。

アメリカJCCの最終的な結論は、最新の馬場状態や枠順、追い切りなど直前まで情報を精査した上で導き出したいと思います。
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