先週の当欄で穴推奨したリビアングラスは9番人気で僅差4着。競馬にタラ・レバは禁物も勝ち馬ドゥレッツァが大外枠で前に壁が作れず、逃げて折り合いを付ける“奇策”に打って出なければ、馬券内に粘り込んでいたのではないか。
大魚を逃したショックを引きずりつつの
天皇賞秋(東京・芝2000m)。正直、今年は現役最強馬イクイノックスを筆頭に上位勢は豪華メンバーが揃っただけに、穴馬に付け入るスキがあるとすれば席は1つあるか無いかだろう。
その1席に割って入る可能性を秘めた人気薄が某スポーツ紙の言葉を借りれば、“神の一手”「禁断のウッド追い」を敢行した
ガイアフォースだ。
これまで同馬は坂路主体の調整しかできなかったのだが、「ようやく脚元が固まってきたので」との理由でウッド調教に変更。西村淳也騎手が騎乗した1週前追いでは好時計をマークして格下の調教パートナーを大きく突き放すなど、稽古の動きが際立っている。
もっとも大半のファンにとっては調教コースが「坂路→ウッド」になったところで、それが狙える根拠とはならないのではないか。
しかし、過去の好走例から答えは「ノー」。最近ではナムラクレアが23年シルクロードS1着時からウッド調教を取り入れた途端、明らかに距離が長かったヴィクトリアマイルを除き、5戦中4戦で馬券に絡んでいるのをご存知だろうか?
「ナムラクレアは爪が弱くて坂路でしか調整できなかったけど、この手のパターンは結構あるんや。ガイアフォースも根本は同じ。坂路とは違う箇所が鍛えられることで、隠されたギアが入るかもしれんよ?」とは、リビアングラスを猛プッシュしてくれた関西の情報通。
芝2000mの持ち時計は速いタイムが出やすい夏の小倉とはいえ、1分56秒8はメンバー最速。ウッド調教で“真の力”が解放されたと仮定するのであれば、今年の秋天でダークホース的な存在になっても驚けない。