今年の
ヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)における最大の見どころは、昨年の勝ち馬で、G1を3勝しているソダシと昨年の桜花賞、オークスの2冠を制したスターズオンアースの初対決でしょう。
しかし、
スターズオンアースには、少し嫌なデータがあるのです。
戦いの舞台となる東京のマイルコースは、長い直線に加え坂もあって、1600mという字面以上の持久力と決め手が要求されます。
「なんだ、スターズオンアースにはピッタリじゃないか!」
そう思われるかもしれないのですが、ポイントは前走のレース内容にありました。
前走の大阪杯は、ジャックドールの絶妙な逃げの前に、ハナ差及ばなかったものの、上がりは抜けたメンバー最速で、負けて強しの内容でした。
この前走の上がり最速が厄介な存在なのです。
■前走の上がり順位別成績
1位 1-1-2-21/25
2位 0-2-0-13/15
3位 0-2-2-21/25
4位 2-1-0-13/16
5位以下 7-4-6-74/91
このレースは前走で切れる脚を使った馬が非常に分が悪く、勝ち馬に至っては実に9頭が上がり4位以下に終わっていました。
鋭い瞬発力を武器とし、競馬史に残る名牝であるアーモンドアイ、グランアレグリアも、意外なことに前走はともに着外となっていました。つまり、いい意味でガス抜きができていたのです。
一方、このスターズオンアースは牡馬相手のG1でハードな競馬をした後に迎えるレース。疲れが気になるところです。
ちなみに、前走で上がり最速をマークした馬の中には、1番人気に支持された馬が4頭いましたが、16年2着のミッキークイーンが最高で、(0-1-0-3/4)と全く人気に応えられていません。
先の天皇賞春では、不良馬場だった前走を圧勝したタイトルホルダーが似たようなジンクスの前に敗れました。
クラシック2冠を達成した勝負強さは認めるも、直近の2走は強い競馬をしながら、勝ち切れていないのも事実で、詰めの甘さを併せ持っている馬。過信は禁物といえるでしょう。