桜花賞(阪神・芝1600m)といえば、切っても切れないのが、同じ阪神のマイルで行われる阪神ジュベナイルフィリーズとチューリップ賞の存在。
昨年は2着のウォーターナビレラがこの2戦をステップとしており、一昨年の勝ち馬ソダシは阪神ジュベナイルフィリーズ1着から直行しての連勝。過去10年で前走チューリップ賞組が(4-8-6-30/48)、阪神ジュベナイルフィリーズからの直行組が(1-2-0-3/6)と上位を賑わせ、2着馬に至っては、この両レースのどちらかをステップにした馬が全てを占めています。。
ですが、昨年の勝ち馬スターズオンアースはクイーンカップ、20年の勝ち馬デアリングタクトはエルフィンステークスからの参戦。阪神のマイル戦を経験している馬には一目置きながらも、過去10年の勝ち馬5頭は別路線組ですから、その躍進も無視はできません。
そこで注目したいのが、フィリーズレビューを勝って大一番に挑む
シングザットソングです。
フィリーズレビューといえば、同じ阪神競馬場で行われるトライアルですが、本番より1ハロン短い1400mということで、ややスプリント色の濃いレース。勝ち馬でも距離延長が嫌われて2ケタ人気という年もありました。
このシングザットソングはデビューから3戦続けてマイル戦を走り、しかも、3戦続けて中団以降のポジションからメンバー最速の上がりを繰り出して差してくるというパターン。前走は距離短縮でのトライアルでしたが、課題のスタートを決めると、これまでになかった前めのポジションから押し切る味のある競馬で重賞ウイナーの仲間入りを果たしました。
まだまだ随所に若さをのぞかせつつも、持っているポテンシャルは相当なもので、キャリアを重ねるにつれてレースぶりも良くなってきました。
データから敬遠されがちなフィリーズレビュー組ですが、過去の勝ち馬らとは違い、デビュー3戦の内容から、距離延長はマイナスには映りませんし、血統面からは、むしろ距離が延びて更に良さが出てきそうな雰囲気もあります。この馬は絶対に軽視禁物です!