チューリップ賞(阪神・芝1600m)は、暮れのG1阪神ジュベナイルフィリーズ、そして牝馬3冠の初戦となる桜花賞と同じ舞台で行われる桜花賞のトライアルレース。

過去10年で実に9頭が暮れの阪神ジュベナイルフィリーズに出走、今年初戦にチューリップ賞を選択して勝ち上がっているのです。

そうなると、今年唯一の該当馬ドゥーラが最有力候補に浮上となります。しかし、過去10年で馬券に絡んだ前走・阪神ジュベナイルフィリーズ出走組(9-1-6-12/28)の16頭を見ると、13年3着のアユサン以外の15頭は阪神ジュベナイルフィリーズで4着以内。前走6着のドゥーラにとっては好走のハードルが一気に高くなっているのです。

今年は別路線組のチャンスが大きいということで、クローズアップしたいのがカフジキアッキエレです。

前走で未勝利戦を勝ち上がったばかり。しかも11番人気の低評価、前走が394キロという小柄な馬体ということで、「格上挑戦となるG2のここでは…」と思われそうですが、持っている末脚はピリリとパンチが利いたもの。

初戦はスタートこそまずまずも、そこから行き足がつかず、1コーナーでは大きく外へ振られるロスの多い競馬で、4コーナーでも大きく離れた最後方。そこからメンバー最速の脚を使うと、続く2戦目は同じ後方からの競馬でも、馬群のインにしっかりと取り付き、直線では馬群を縫うように伸びて一気の差し切り勝ち。ここでも抜けたメンバー最速の上がりをマークし、走破タイムも3秒以上短縮しました。

■過去10年・前走上がり最速馬の好走
22年 1人 1着 ナミュール
22年 13人 2着 ピンハイ
20年 1人 3着 レシステンシア
19年 4人 2着 シゲルピンクダイヤ
18年 1人 1着 ラッキーライラック
17年 7人 2着 ミスパンテール
17年 2人 3着 リスグラシュー
16年 1人 2着 ジュエラー
14年 1人 1着 ハープスター

前記の通り、ここは一気の相手強化も、2戦のレースぶりを見ると、自分のリズムで競馬ができている上に、終いの脚も堅実。勝負根性もかなりのものがありそうで、前走の勝ちタイムも悪くありません。

また、母系にはロジユニヴァース、ソングライン、ディアドラといったG1ホースの名前もあり、底力も十分の血統背景を持っています。

未勝利を勝ったばかりと軽視するのは非常に危険かもしれません。

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