いよいよ秋のG1開幕戦となるスプリンターズステークス(中山・芝1200m)が近づいてきました。
近年は春のG1の締めくくりとなる安田記念からステップレースを挟まずに、ここへ直行というローテーションが増えてきて、2017年にレッドファルクス、2020年にグランアレグリアが勝利を挙げています。
■スプリンターズSで好走した前走・安田記念出走馬
20年 1着 グランアレグリア
17年 1着 レッドファルクス
15年 3着 サクラゴスペル
今年は安田記念2着のシュネルマイスターが2つ目のG1制覇を目指してエントリーしてきました。
昨年のNHKマイルカップの覇者で、昨年のマイルチャンピオンシップ、今年の安田記念でそれぞれ2着。3着を外したのは海外でのドバイデューティーフリー8着のみで、国内での複勝率は100%。実績は申し分ありません。
しかし、その実績があるのは主にマイル戦。1800mの毎日王冠を勝ち、2000mの弥生賞で2着がありますから、1600m以上の実績といってもいいでしょうが、1200mは今回が初めて。1400mも経験がなく、未知の領域となっています。
過去10年で馬券に絡んだ30頭はいずれも1200mのレースを経験して勝利の経験があり、ほとんどの馬は1200mの重賞で3着以上の好走、もしくはオープン特別を勝つ距離実績がありました。
もちろん、先に取り上げた安田記念からの直行組もそうで、グランアレグリアは高松宮記念で連対、レッドファルクスは前年の同レースを勝利、サクラゴスペルもスプリント重賞勝ちの確固たる実績を持ち合わせていました。
シュネルマイスターにはその経験がなく、初の1200m、しかも生粋のスプリンターが揃うハイレベルのG1でスピードの違いに戸惑うことは大いに考えられます。
そんなシュネルマイスターがなぜここへ挑戦してきたのか?種牡馬入りした際に1200mのG1で好走実績があれば、一段とハクが付くというのはあるでしょうが、出走馬をよく見てみると、日本のG1レースを席巻するサンデーレーシングの所属馬はこの馬のみ。
今年のG1で出走がなかったのは大阪杯と天皇賞春の2つだけで、できるだけ所属馬をG1に送り出したいという事情もあるのかもしれません。
大きな期待を受けてのスプリントG1挑戦ですが、過去の傾向から大きな壁が立ちはだかっています。今回に関しては想像以上に厳しい戦いを強いられそうです。
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