キーンランドカップ(札幌・芝1200m)はサマースプリントシリーズの第5戦。残るレースは2週後のセントウルステークスだけとあって、チャンピオン争いも気になるところですが、その先のG1スプリンターズステークスに向けて確たる賞金を持っていない馬にとっては、1着馬に与えられる優先出走権をかけた熱い戦いとなります。
ここで注目したいのが、鞍上に
C.ルメール騎手を迎えて1着獲りを狙う
ヴェントヴォーチェです。
デビューから重賞を経験せず、およそ1年の長期休養を挟みながら、わずか6戦で4勝を挙げてオープン入りを果たした素質馬で、2走前の函館スプリントステークスは2番人気、前走のアイビスサマーダッシュは1番人気に支持されました。
ここで気になるのは上位人気に支持された直近2走の7着、9着という着順です。
レースを振り返ると、2走前の函館スプリントステークスはスタート後に行き脚がつかず、前半から窮屈な競馬を強いられ、得意の先行策を取れず、中団から流れ込むだけの内容。
前走のアイビスサマーダッシュは前半こそうまく流れに乗っているように見えましたが、勝負どころで進路が狭くなり、最後は無理をさせないままゴール。2走とも不完全燃焼のレースでした。
サマースプリントシリーズの優勝争いはおろか、秋へ向けて賞金も加算できない最悪のものとなってしまいましたが、3走前の春雷ステークスでマークした1分6秒8の勝ち時計は、2012年のスプリンターズステークスでロードカナロアが叩き出したレコードに0.1秒差と迫るもの。
このレースは重賞好走馬も多く出走していたレベルの高い一戦。その中で重賞を2勝し、今年に入ってもCBC賞、北九州記念で連続2着となったタイセイビジョンを撃破して3馬身差を付ける圧倒的なパフォーマンスでした。
■2022年・春雷ステークス
1着
ヴェントヴォーチェ
2着 タイセイビジョン(20年アーリントンC、19年京王杯2歳S)
4着 タイセイアベニール(22年函館スプリントS3着)
5着 ライオンボス(19年アイビスSD)
6着 カイザーメランジェ(19年函館スプリントS)
この一戦からも、素質の高さは何ら引けを取らず、ここ2走は不完全燃焼とあって疲れもなさそう。さらに今回は、2着ではスプリンターズステークスの出走が微妙なところで、勝って優先出走権を獲得したいモチベーションはメンバー随一といえるでしょう。
それでいて人気面は前2走から急降下。置かれている立場からも積極的にアタマで狙ってみたい1頭です!
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