昨年の覇者ソダシが1997、98年のエアグルーヴ以来となる連覇達成なるかが注目される札幌記念(札幌・芝2000m)ですが、それを阻止すべく伏兵陣も多彩。

今年はとりわけレースの主導権を握る先手争いが熾烈。恵まれたスピード能力を持つパンサラッサとジャックドールがどんな作戦に出るかがレースのカギを握ります。

前者はG1のドバイターフ、後者はレイパパレ、アカイイトらのG1ホースが出走してハイレベルだった金鯱賞を逃げ切り勝ち。どちらも簡単には崩れない実力馬であり、逃げ馬です。

ソダシはマイペースの逃げを許さず前を行く2頭をマークし、さらに勝ちに行かなければならない立場。となると、スローペースになることはイメージし辛いですよね。

そこで浮上するのは、先行勢の消耗戦に虎視眈々と狙いを定める待機勢。中でも最も魅力に映るのが、ここ2走を後方からのマクリ戦法で好走しているアンティシペイトです。

3歳時の3連勝が逃げ・先行、4歳時の3勝クラス勝ちが中団から差し、5歳となった2走前のオープン特別・福島民報杯勝ちが向こう正面からのマクリと違う脚質で勝利を積み上げています。さらに今回は3勝クラスで差し切りを決めた横山和生騎手とのコンビが復活。これが大きなポイントなのです。

【アンティシペイト勝利時の騎手と通過順】
22/04/17 福島
福島民報杯(武藤雅) 13-10-4-1

21/08/28 札幌
オホーツクS(横山和) 7-7-9-9

20/08/01 札幌
阿寒湖特別(武豊) 2-2-2-2

20/05/30 東京
1勝クラス(三浦) 1-1-1-1

20/03/21 中山
未勝利 1-1-1-1

差し切りでの勝利を挙げ、この馬の末脚を体感していることに加え、横山騎手といえば昨年の菊花賞、この春の天皇賞を逃げ切ったタイトルホルダーの主戦。逃げる人気馬の心理もよく分かっているジョッキーであり、逃げていて嫌なことを今回は人気を背負うことなく気楽な立場で実行できるパンサラッサ、ジャックドール、それを視野に入れてレースをしなければならないソダシにとっては非常に厄介なジョッキーなのです。

アンティシペイト自身も札幌では3戦2勝、2着1回。2600mでも勝鞍があるように消耗戦への適性も十分。最後の最後に大逆転のどんでん返しを期待しましょう!
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