七夕賞(福島・芝2000m)は荒れることで知られる夏の名物重賞。直近では2018年から4年連続で1番人気の馬が馬券になっていません。

そんな人気馬受難の七夕賞で、今年危険な雰囲気を醸し出しているのが、今回と同じ福島2000mで行われた前走の福島民報杯を5馬身差で圧勝したアンティシペイトです。

元々、馬格の良さや活躍馬を次々とターフに送り込んでいる国枝栄厩舎所属ということもあって、大きな期待を集めていた馬。今回は前走の勝ちっぷりもあって、重賞初制覇が期待されることころです。

しかし!そこに立ちはだかる壁はなかなかハードなもの。まずは多くの人気馬が苦しんできたハンデ戦の醍醐味でもある斤量面。

トーラスジェミニが今回のトップハンデとなる57.5キロ。57キロがショウナンバルディ、ヒートオンビート、マウントゴールドの3頭。この馬はレッドジェネシスと並んで56.5キロのハンデとなりました。

この6頭の重賞・オープン実績を見てみると、アンティシペイト以外の5頭は複数の好走実績があるのに対して、アンティシペイトは重賞・オープンで3着以上になったのは、オープン特別で1着となった前走のみ。ちなみに56キロのヴァンケドミンゴ、ヒュミドールも重賞で複数の好走実績を持っており、前走の1勝が後続を離したものだったゆえに、やや厳しいハンデを背負った印象を受けます。

【七夕賞ハンデ上位馬の重賞・オープン実績】
・トーラスジェミニ(57.5キロ)
→ 重賞1勝、3着1回、オープン特別3勝

・ショウナンバルディ(57キロ)
→ 重賞1勝、2~3着各1回

・ヒートオンビート(57キロ)
→ 重賞2~3着各2回、前走・天皇賞春4着

・マウントゴールド(57キロ)
→ オープン特別2勝、重賞2~3着各1回

・レッドジェネシス(56.5キロ)
→ 重賞1勝、2着1回

・アンティシペイト(56.5キロ)
→ オープン特別1勝

また、過去3度の重賞挑戦を見ても、重賞初挑戦だったアルゼンチン共和国杯が8着、続くアメリカジョッキークラブカップとダイヤモンドステークスがともに11着と完敗。前走の勝ちっぷりが鮮やかだったとしても、ハンデ戦だったアルゼンチン共和国杯とダイヤモンドステークスが55キロだっただけに、今回の斤量増は一段と厳しく映ります。

鞍上の武藤雅騎手も、まだ重賞勝ちがなく、プレッシャーがかかる一戦となりそう。今回は危険な人気馬といえそうです。
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